アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

今日(4月12日)は、独立行政法人 国立病院機構 水戸医療センター 附属桜の郷看護学校の人間関係論の集中講義のため早起きして出かけます。
そのため早い時間の更新です。

さて、ヒューマン・ギルドでカウンセリングを学んでいる仲間が協力し合って作った本の紹介です。

『育自の教科書ー父母が学べば、子どもは伸びる』(熊野英一、アルテ、1,800円+税)

 メインの執筆が 熊野英一さん、編集の協力者が 加藤隆行さん と 岡田 倫さん(コラムにも1か所)。

その他にまついまきこさん、漢那英樹さん、友澤伸拓さん、高澤貴子さん、岸田千春さん、内藤純子さん、笠原睦美さんなどがコラムにアドラー心理学の実践例の協力。

表紙・装丁を含めてとても上品な出来栄えになっています。

育自の教科書
熊野 英一
星雲社

◆アマゾンでは、本日(4月12日)発売で、ヒューマン・ギルドでは『嫌われる勇気』、『幸せになる勇気』などと共に取り扱っています。 
ご注文ください。


私も少しばかり協力させていただき、「推薦の辞」を書いています。
そのままコピペしました。

最初に、この本を手に取られた読者に「あなたの目は確かです。よい本をお求めになりました。この本を読むことによって子育てにかかわるあなた自身が勇気づけられます」とお伝えします。

さらには、ヒューマン・ギルドでアドラー心理学を学び、アドラー・カウンセラー養成講座まで受講され、この本の執筆に関わった人たちにエールを贈ります。
加えて、この本を世に出してくださる株式会社 アルテの代表取締役の市村敏明さんにも心からの感謝を表明します。

さて、アドラー心理学を30年余にわたって普及しているヒューマン・ギルドの代表者、かつこの本の推薦者としてこの本の3つの魅力についてお伝えします。

(1)著者とコラム執筆者のこと
(2)【幸せの3条件】
(3)この本の立ち位置

第1に、この本の著者の熊野英一さんは、累計で7万人超の保育実績を有する民間の保育サービス会社、株式会社 子育て支援の代表取締役。
「アドラー芸人」を自称する熊野さんは、アドラー心理学の理論をもっとも体系的に語ることができる人の一人です。
講座やカウンセリングなどでもフルに活躍されています。


この本には、著者の熊野さんの文章に9人の方々が【コラム:アドラー心理学 実践インタビュー】コーナーで10のコラムを寄せられています。
また、自らは表に出ないで、加藤隆行さんが裏方としてプロデューサー役を担っています。
たとえてみると、この本はまるで、チェンバロと指揮が熊野さん、その他に弦楽器、管楽器を担当する11人の演奏家が揃った、ヴィヴァルディ、バッハ時代の良質の調和の取れた室内楽のようです。

アドラー心理学の【幸せの3条件】(1自己受容 2他者信頼 3他者貢献)のメロディーが快く反復され、あなたが読み終えたときにはきっと、「自己受容」「他者信頼」「他者貢献」を思わず口ずさんでいるに違いありません。

第2に、【幸せの3条件】(1自己受容 2他者信頼 3他者貢献)について私なりに述べます。

「自己受容」「他者信頼」「他者貢献」を「幸せの3条件」として位置づけたのは、ヒューマン・ギルドが1987年2月に開発し、現在までに5万人以上の受講者を擁する「愛と勇気づけの親子関係セミナー(SMLE)」が初めてです。

「子育て=自分育て」だと捉えると、この3つは、自分育てに欠かせない要件になります。

アルフレッド・アドラー自身は、共同体の中での所属感・信頼感・貢献感を意味する共同体感覚を精神的な健康のバロメーターとしていました。
わかりやすく言うと、精神的に健康な人は、家庭や職場で自分の居場所を感じ、周囲の人々を信頼し、そのような人たちに積極的に貢献しようとする感覚・感情を有しています。
そのことで不完全である部分を認めながらも、自分自身を受け入れています(自己受容)。

逆に言えば、自分を受け入れることができず、他者に対して不信感を抱き、他者が自分に何をしてくれるかばかり考えている人は、幸せから遠ざかってしまうと受け止めることができます。
また、このどちらかを選ぶのはあなた次第だとも言えます。

最後に、この本の立ち位置について触れておきます。

この本は「アドラー 子育て・親育てシリーズ」の第1巻だそうですが、本書の主題を構成する第2章<子どもの「自立」の“足をひっぱる”親>、第3章<自立した親こそが、子どもの自立を真に支援できる>では、もっぱら親自身の「親としての在り方」を見つめ直すことを読者に求める内容に多くの紙面を割いています。

先ほど私は、「子育て=自分育て」と書きました。
もしかしたら、親の何割かは「子育ては子育て。自分育てなんて関係ない」と言われるかもしれません。

しかし、実際に子育てをしてみると、子どもの発達に従って、さまざまなイベントの節目で自分が子どもから、子どもを取り巻く社会から育てられることを実感しているはずです。
「自分はシャイで何もできない」と言っていた人が、子どもがいじめられているような場面で、実に積極的な行動をすることがあります。
自分でできなかったことを、子どものこととなると、ごくあっさりとやってしまうのです。

この本に書かれる尊敬・信頼も、子どもを通じてしみじみと実感できるようになります。
これは、子育ての「マインド」に属する部分です。


しかし、子育てには「マインド」だけではどうにもならない点があります。
具体的な「スキル」を持たなければならないのです。
子どものさまざまな場面での具体的な行動に関して親がどう対応したらよいかのスキルがないと、単に「思い」はあっても「ハウツー」がないことになってしまいます。
おそらくこのシリーズの全体で子育てのマインドとスキルが網羅されることでしょうが、シリーズ第1号のこの本は、子育てのテクニックでなく、「親としての在り方」を見つめ直す、子育てのマインドとしての「自己受容」「他者信頼」「他者貢献」が身につく「親育て」「自分育て」の本だと言えるのではないでしょうか?

2016年3月
有限会社 ヒューマン・ギルド 代表取締役 岩井俊憲

<お目休めコーナー>4月の花(12

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