おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。
私の毎年の元旦の日課は、新聞5紙に目を通し、それらを読み比べることです。
論評を最小限にして、発行部数順に第1面と社説(一部論説委員長/主筆の年頭所感)を紹介してみましょう。
讀賣新聞
第1面 「生体認証」破り入国―「テープで指紋変造」
社 説 危機欠かせぬ機動的対応―政治の態勢立て直しを
朝日新聞
第1面 陰るハリウッド―カネも仕掛けも行き詰まる
社 説 混迷の中で考える―人間主役に大きな絵を
毎日新聞
第1面 三菱UFJのモルガン出資決断―米政府 異例の謝意
社 説 日本版「緑のニューディール」を―環境の主導で成長を図れ
主筆年頭所感 人に優しい社会を
日本経済新聞
第1面 危機がひらく未来へ―トヨタ、太陽電池で挑む
社 説 賢く時に大胆に、でも基本は市場信ぜよ
産経新聞
第1面 黎明の光はいつ差すのか―冷戦終結から20年「経済グローバル化」危機
社 説 (なし)
論説委員長年頭所感 日本人の「流儀に」にこそ活路
紙面全体では、昨年に比べて環境問題の取り上げ方が極端に少なくなったことが特徴として挙げられます。
毎日新聞を除いて社説は、経済と政治のことばかりでした。
新聞が面白くない。もう今年でやめようかな、この習慣。
ただ、産経新聞の論説委員長年頭所感の次の話は笑えたし、印象にも残りました。
60年前、日本人として初めてノーベル賞を受賞した湯川秀樹博士にまつわる話。
外国報道陣から湯川氏に変わった質問が飛んだ。
「日本人はイスに腰掛けてではなく床に座って書くと聞くが、あなたが論文を書いたときはどっちだったのか」
湯川氏の答えは「どっちでもない。寝床の中でした」。報道陣はドッとわいたという。
ささいなようでも、寝る間も惜しんで考えるというのが、日本人の「流儀」として新鮮に映ったのかもしれない。それを忘れかけていたのは、日本人自身だった。
<お目休めコーナー> 我が家の正月の花瓶から①