■文廟、滄浪亭、盤門、宝帯橋
蘇州の文廟には、なんといっても、あの「蘇州天文図」がある! 古天文学愛好者なら誰でも知っているとおり、東アジア最古の本格的天文図とされてきたものだ(キトラ古墳発見前までは、かな?)。しかし、管理人付きの特別室で厳しく管理されており、撮影禁止なのが残念。
蘇州天文図 (これは蘇州博物館にある模刻) |
滄浪亭は、園内に入る前に、掘割に浮かぶ船のような外観を味わうのがいい。「蘇州文庫シリーズ」によれば、目指す宋犖の重修碑は碑廊の外に立っていると いうので、きょろきょろしていたら、石川さんが「あれがそうじゃない?」と見つけてくれた。野ざらしの巨大な石碑だった。全面をガラスで覆われているの で、写真が録りにくかったが、なんとか、”康煕三十五年”という年記を写真におさめて、任務を完了する。
蘇州城の南の玄関である盤門を見学し、ローカルガイドのお嬢さんとお別れ。マオさんのガイドで、郊外の宝帯橋(唐代の石橋の遺址)を見学し、同里へ向かう。
■同里
最近、江南の水郷古鎮は、注目の観光スポットらしい。小舟が行き交う掘割とか、苔むした石橋とか、水面にせり出すような白壁の家とか、蘇州・杭州などの 大都市では、失われてしまった景観が、周辺の小都市には、まだ現役で残っている。これを上手に保存・整備して、新しい観光資源にしようという動きが進んで いるのだ。
同里はそうした水郷古鎮の1つである。町全体がアミューズメントパーク化しているので、古鎮の入口で入場料を払う。昼食のあと、手漕ぎ舟に乗って古鎮周 遊を楽しんだ。低い視線から見る風景はおもしろい。人々の生活している地面が意外と水面から高い位置にあることが分かる。一般車両は規制されているうえ に、坂や橋(太鼓橋)が多いので、バイクや自転車も少なく、静かである。「田舎はいいですねえ」と、上海っ子のマオさんがいちばん嬉しそうだった。
乗ったのはこんな舟 |
舟の上から |
同里の名園、退思園は、肩の力の抜けた味わいがよかった。また、街角で買った薄いパイ状の焼き菓子は、素朴な甘さと塩味が絶妙で、お土産として好評だった。
■杭州
夕方、杭州に到着。ここも今や蘇州以上の大都会である。夕食後、西湖の湖畔を散策。たくさんの人が夕涼みに集まっている。周辺には瀟洒なカフェやレストランが立ち並ぶ。私はスターバックスで「杭州」ブランドのマグを購入。
【2019/5/4 geocitiesより移行】