付け焼き刃の覚え書き

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「ガンパレード・マーチ 九州奪還5」 榊涼介

2009-01-14 | 異世界結合・ゲート・ゾーン
「大佐。わたしを信じてとは言いません。ただ死ねと言うてくださいっ……!」
 堅田女子戦車中隊石丸あかり軍曹の言葉。
 パッと読んで、思わず付箋を付けた言葉が作者にとっても印象的な言葉だったらしい。戦争物ではむしろありきたりな言葉だけれど、それを口にする者それぞれに自分なりの覚悟があり、部下がいる。言葉の重さに代わりはない。

 つい昨日まで憎むべき敵だった相手と肩を並べて戦う。それはただ、幻獣の王を倒すという目的のため。割り切れぬ思い、信じ切れぬ気持ちを抱えたまま兵は戦う。
 だが、敵は遙かに強大であった。偉大なる幻獣の王はただ前進を命じるだけだ。戦力差は圧倒的であり、九州全域で幻獣側の猛攻が始まった。善行と荒波苦心の防衛戦が次々に食い破られていく。敵も味方も次々に戦場に斃れていく。あとは数の大きい方が残るという、引き算の問題だった……。

 帯に大きく書いてあるように、ついにこの巻で九州戦は決着します。
 そうかあ、ここからオーケストラに続くのか……。(←違いました。オーケストラはこの直前の話でした。)

 死屍累々の戦場がこれでもかと続きます。炎が塹壕を舐め、戦車壕が吹き飛び、兵士は次々に斃れていきます。そして、5121小隊が送り込まれたのは、危険は大きく、失敗すれば裏切り者の汚名着ること間違い無しの任務。
 それなのに、夏用のソックスだの、露天風呂で混浴だの、メイド服よりバニーガールだのといった小ネタやら、イタチの大王だのモモンガの王だのといった神話ネタが混在しても違和感がないところが流石ガンパレ。

「先生、どうしてこの戦車だけ黄色いんですか?」
「それはね。この戦車に乗るパイロットがお馬鹿さんだからよ」

【ガンパレード・マーチ】【九州奪還】【榊涼介】【消耗戦】【敗退】【ラブコメ】【混浴温泉】【ソックスハンター】
コメント
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