付け焼き刃の覚え書き

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「砲煙の巨竜」 内田弘樹

2009-01-21 | 架空戦記・仮想戦史
 軍事に興味ない人には、そもそも戦艦と巡洋艦と駆逐艦の違いから説明しないといけませんが、今回は巡洋戦艦、史実では幻に終わったという超大型重巡洋艦(超甲巡)の話です。……あ、この段階でうちの嫁さんあたりは置いてきぼりにされましたね。
 つまり、動力機関が大きければ大きいほど、大きく重い艦体を動かすことができ、艦体が大きければそれだけ装甲を厚くし大きな大砲をたくさん載せることができます。ここまではおわかりですか?
 それで便宜上、いちばん大きいクラスをひとまとめに戦艦と呼び、海の戦いの主力とみなします。造るのにも動かすのにもお金がかかりますが、殴り合いなら負けません。
 次に、戦艦ほど大きくなく、火力や装甲が劣るものを巡洋艦と呼びます。その名前から判るように大洋を巡る性能が優れているので、あちらこちらに派遣されます。戦艦ほど燃料をくわないし、足は長いし、そこそこ強くて見栄えが良いので、植民地を威圧したり外交したりに使います。戦いでも戦艦が出てこなければ、けっこう活躍します。
 最後に、駆逐艦。本当は最後でもなんでもないけれど、便宜上大別するとこんなもんだと思ってください。これは比較的安価だし速力もあるのでけっこう便利に使われます。大砲はさほど強くはないけれど、一撃必殺の魚雷を持っていたりするのでうまく敵の懐に飛び込めれば戦艦でも倒せます。爆雷もあるので輸送船団の護衛としても活躍します。とにかく、数を用意してなんぼの艦です。
 ……嫁さん、わかった?

「あらかじめそう(自分は完璧ではないと)宣言しておけば負けたときに言い訳しなくてすむじゃないか」
 第12戦隊司令官、大家亮輔少将の言葉。

 で、今回は超甲巡、巡洋艦としてはむちゃくちゃ大きいけれど、戦艦と比較すると小粒という艦が、中途半端な艦として持ち腐れるのか、それとも両者の長所を兼ね備えた艦として活躍の場が与えられるのかという話。威力では戦艦に負けるけれど、速射能力で互角以上に持ち込むぜ!というのがコンセプト。
 いつものように、頭は良いけれど性格はむちゃくちゃ悪い男が主人公です。こういう人間が上り詰められるかどうかってのが、最大のIFですね。
 それから、ああ、内田さんは『トップをねらえ!2』が好きなんだなとか、最近『伝説巨神イデオン』を見たのかなとか、いろいろ思いました。

【砲煙の巨竜】【内田弘樹】【戦艦大和】【水雷戦】【夜戦】【鉄底海峡】【ガダルカナル】
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