付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「舞面真面とお面の女」 野崎まど

2010-05-20 | ミステリー・推理小説
 ちょうどこれを読み始めたときに、BGVで『化物語』がかかっていたため、両者のイメージが混在してしまって引きずられてしまいました。脳内では主人公の声がありゃりゃ木さんのイメージになっちゃってます。いや、あんなにセリフが多い話ではありませんけれど。

「印象は大切な情報だよ? みんな印象で生きてる」

 興信所の調査員・三隅の言葉。

 恩義ある叔父に呼ばれて山中の邸宅に赴いた大学院生・舞面真面(まいつら・まとも)は、従妹の水面(みなも)、興信所の男らと共に1つの依頼を受ける。財閥を一代で興し、戦後の財閥解体の中で倒れた曾祖父・舞面被面が残した遺言の謎を解き明かして欲しいというのだ。
 蔵の中から発見された謎の立方体が、これまで意味の通らなかった遺言書の鍵となるのではないかというのだが、既に戦後ン十年。今さら何の意味があるのかと思いつつ調査を開始した真面の前に、不思議な仮面をかぶったセーラー服の少女が姿を現した……。

 テンションの低い普通の青年が、美貌の令嬢に育ってしまった従妹、蔵の掃除すら失敗してしまうヤル気だけはあるお手伝いさんの“熊さん”、はたまた古めかしい言葉を使う謎の仮面の少女(自称「中学生」)など周囲の女性陣に翻弄されながら、怪奇な事件の渦中に投げ込まれてしまうお話。
 とはいえ、終わってみるといちばんまともでいちばん大人しそうに見えた男がいちばんヤバげというあたりは『化物語』と同じのような気がします。中身はぜんぜん違うんですけどね。

【舞面真面とお面の女】【野崎まど】【ハイエナ】【パンダ】【妖怪譚】【っポイ!】【健康ランド】
コメント
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