
17歳の少年マイルズには野望があった。帝国士官学校へ入学し、いずれは皇帝に使える戦士となること。それは帝国の有力貴族であるヴォルコシガン卿を父に持ち、グレゴール帝とも幼なじみであるマイルズには当然の道だった。
しかし、マイルズには生まれながらの身体的ハンディキャップがあった。妊娠時の母親が毒ガステロの被害を受けたためだ。小柄な体格、脆い骨格……士官学校の体力テストで不合格となったマイルズは、父親の腹心の部下であるボサリ軍曹、その娘で幼なじみのエレーナと共に傷心旅行へ出かけるのだが、旅先のベータ植民惑星でひょんなことからオンボロ貨物船を手に入れてしまう……。
体力的には人並み以下の貴族のお坊ちゃまが、つい手を出してしまった人助けをきっかけに、家名も通用しない異国の地でウソにウソを塗り重ね、ハッタリにハッタリをかけ続けながら、いつしか止まることのできないチキンレースに巻き込まれ、トップランナーになってしまう話。トカゲは竜にならねばならなかったから竜になった。マイルズは提督にならねばいけなかったから提督になった。そういう話。
傭兵たちのシビアな雇用関係には大爆笑。
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