
自分たちは戦争そのものと戦っているのだとドロシー戦車長。
魔法の力が産業社会に組み込まれている世界。
大国同士の戦争で使用された魔力爆弾によって戦争は終結したが、それは爆弾によって魔力の場が混乱し、魔力で動いていた戦車などの兵器が勝手に動き始めたことによるものでしかなかった。
かつての軍事拠点などを巣に、自己修復・自己増殖・自己改良を続ける戦車たちによって町や村は襲撃され、人々は魔力爆弾の影響を受けなかった兵器で防衛を続ける。
盗みをしながら放浪していた少女ニーナは、ある日、交易都市ドラスの玄関口に位置している町アンフレックで、私立戦車隊ラビッツのメンバーによって盗みの現場を押さえられたのだが……。
女の子が戦車に乗って暴れ回る話というと、士郎正宗の『ドミニオン』あたりから始まって、最近では『鋼鉄のワルキューレ』とか『ぱんほー!』とか『セーラー服と重戦車』とか『出撃っ!猫耳戦車隊』(これはちと古いか)とかいろいろ出てきたのだけれど、魔法と戦車という組み合わせは案外となかったりします。『ヘルズガルド戦史』も、夜目の利く亜人とかは出てきても、ちょっと違います。
そう思うと、科学技術の塊である戦車とファンタジーの魔法をうまく組み合わせて上手く設定を作り、それをきちんとストーリーに反映させてます。
女の子たちが集まってワイワイやる愉しさと、戦えば必ずといって死傷者が出る戦争のシビアさの間でうまくバランスが取れてます。こういう話は好きです。
ただ、「夜戦」に対して昼間におこなう戦闘を「白兵戦」というのは、やめて欲しいなあ……。
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