付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「丘ルトロジック」 耳目口司

2011-01-12 | 学園小説(不思議や超科学あり)
「君は完膚無きまでに自分を知られたことはあるかい?」
 「知ること」とは「支配すること」、自分は世界を征服するのだと沈丁花桜。

 神楽咲高校に入学した咲丘は、部員募集の掲示板にぴらりと貼られた1枚のチラシに目がとまった。
 そこにはただ「丘研」とだけ。
 どんな活動をしている部活か何も書いていないにもかかわらず、これこそ“風景”を愛する俺のための部活だ!と直感し、その部室に向かった彼を待ち受けていたのはオカルト研究会だった……。

 残念な高校生たちが世界を知るための戦いに挑む物語。

「悲しいってのはな、思い出がそうさせるんだ」
 思い出があるからこそ悲しかったり悔しかったりするのだと出島進先輩。

 角川スニーカー文庫最凶の“優秀賞”作品。 同じ15回のスニーカー大賞作品である『子ひつじは迷わない』が面白かったので、こっちも読んでみようと挑戦。あなどりがたし、スニーカー文庫! イラストレイターの選択からも編集部の本気さが伝わってきます。
 最近では『世紀末オカルト学園』があったように、高校生が怪奇現象やら都市伝説やら妖怪の跳梁跋扈に遭遇し対決する話は少なくないのだけれど、これは文句なしに頭一つ抜きん出てます。
 最初、主人公が丘研に足を踏み入れる動機が不自然だなあと思っていたのだけれど、読んでいくうちに「こいつはこういう人間なんだ」「人智を超えた異常性癖の持ち主!」ということが分かってきて納得。キャラクター造形とストーリーとのかみ合わせが完璧です。なんというか、狂った涼宮ハルヒというべきなのでしょうか?

【丘ルトロジック】【沈丁花桜のカンタータ】【耳目口司】【まごまご】【世界征服】【都市伝説】【エスプレッソ】【自殺し続ける男】【ツチノコ】【切り裂きジャック】【健康はマゾの義務】【カルミナ・ブラーナ】【インターネット最凶説】
コメント
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