付け焼き刃の覚え書き

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「共和国の戦士2~星間大戦勃発」 スティーヴン・L・ケント

2011-03-08 | ミリタリーSF・未来戦記
『生きることは殺すことよりもずっと大きな体験なのだ』
 しかし、ウェイソン・ハリスは殺すことでしか生き方を知らない。

 ウェイソン・ハリスはクローン兵士である。
 クローン兵士は自らがクローンと気づいた瞬間に自死するようプログラミングされている。
 そして、ウェイソン・ハリスは自らがクローン兵士であることを知っている。

 だが、彼は生きている。
 それは彼が戦闘能力を強化した、リベレーターと呼ばれる特殊タイプの最後の生き残りだからだ……。

 『共和国の戦士』の続編で、星間戦争がついに勃発。
 共和国(統合政体UA)は強大な艦隊を有しているけれど、自己転送能力を持つ艦は巨大艦1隻しかなく、他は転送ステーションのディスクをくぐることでしか恒星間を移動できない(カウボーイ・ビバップみたいなのね)。
 これに対抗する反乱勢力「国家連合」にはまともな艦隊がない。
 モガト教徒は40年前ほど前に独立を目論んで脱走した銀河系中央艦隊の生き残りで、自己転送できる艦隊を保有しているが、きちんと艦を整備し、コントロールする技術を失っている。
 本来ならば、共和国の優勢は動かないはずなのだけれど、ここに人種融合が進む銀河系の中でも民族色を維持し続けていた日本人の勢力が加わり、1対3となって戦局が大きく動きます。文化的には閉鎖的だけれど、テクノロジーにはめっぽう強いヒノデ勢力です……って、なんで日本人なのかなあと思いましたが。
 そんなに変な描写はありませんが、唯一、艦橋に設置された鳥居っぽいモニュメントだけはなんだかなあと笑いました。
 なんか、大戦はこの艦で終わってしまったような気がしますが、あくまで勃発ですからこれからまだまだ戦いは続くのでしょうね。主人公は相棒の黒人巨漢と2人だけで、これから何をしようというのでしょうか。

【共和国の戦士2】【星間大戦勃発】【スティーヴン・L・ケント】【クローン】【入植者】【ヒノデ】【カトリック】
コメント
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