付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

★巨大学園小説

2011-03-19 | ランキング・カテゴリー
 中高生が主なターゲットとなる小説は、たいてい主人公は少年少女で、主な舞台が学校という作品が多い。その方が読者が感情移入しやすいし、世界設定を説明するにも最低限で済むからだと思うのだけれど、おかげでライトノベルのレーベルで刊行される小説の5冊に4冊は、SFでもファンタジーでもミステリでもホラーでも、とにかく学園ものという状況に。SF系の士官学校とか魔法学校ものとかをいれるともっと増えるかな。
 そうすると、読んだ本をカテゴリーに区分して読書メモをつけ、あらすじとか名セリフとか感想とか記録しておこうと思っても、その8割が同じカテゴリーに入ってしまったら区分する意味が無くなります。
 それであれこれ悩んで、とりあえずミステリーとかホラーのカテゴリーに入れられるやつは入れることとして、「不思議や超科学」の有無でさらに区分することにしてみました(こういうことをやっていると「ライトノベル」の定義について語ることが無意味としか思えなくなってきます)。

 そんな学園小説の中でも「巨大学園もの」というジャンルがあり、さらに頭を抱えることに。
 ただ、舞台が「巨大学園」といっても、設定上の生徒数は万単位でも中身は普通の学校と同じ……というものも多く、実態としてはあえて分けるだけの数がないのが残念。やはり「巨大学園」というのであれば、生徒の自治が単なる学園自治ではなく、都市機能・行政にまで及んで欲しいなと、そこはこだわってみます。

★1975
 『宇宙大学』(「11人いる!」萩尾望都)……自治権を持つ人工惑星。

★1980
 『孔雀学園』(「燃えよ!孔雀学園」もとやま礼子)……南海の孤島の巨大学園。

★1982
 『私立鶴ヶ峰学園』(「コータローまかりとおる!」蛭田達也)……生徒数2万人超のマンモス高校。

★1990
 『私立蓬萊学園高等学校』(「蓬萊学園の冒険!」新城カズマ他)……生徒数10万人超の南海の孤島の学園。

★1992
 『CLAMP学園』(「CLAMP学園探偵団」)……幼等部から大学院までの学園都市。生徒・職員

★1993
 『九江州中学』(「轟世剣ダイ・ソード」長谷川裕一)……生徒数550名。学園ごと異世界を漂流。

★2001
 『私立鳳凰学園』(「微細回路少女師団」山下卓)……生徒数の多いブルジョワ校。
 『真輝島学園』(「深く静かに掘りかえせ!」麻生俊平)……幼稚園から大学まで。

★2003
 『麻帆良学園都市』(「魔法先生ネギま!」赤松健)……女子中等部だけで生徒数2000人超。

★2004
 『学園都市』(「とある魔術の禁書目録」鎌池和馬)……オーバーテクノロジーと魔術の学園都市。

★2008
 『新トウキョウ王子花園学園』(「シニガミノバラッド。アンノウンスターズ。」ハセガワケイスケ)……学園都市。

★2010
 『国立皇家院学園』(「表裏世界のソーマキューブ」乙姫式)……生徒数700万人の法力者養成校。

★2011
 『千陣学園』(「うちの会長は荒ぶる虎猫に似ている。」空埜一樹)……才能第一主義を標榜し、生徒数10万人超。

 とりあえず手元の本からピックアップして巨大学園リストを。



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「卵をめぐる祖父の戦争」 デイヴィッド・ベニオフ

2011-03-19 | 戦記・戦史・軍事
「あたし、料理はしないの」

 1942年大晦日。ドイツ軍に包囲されて飢餓状態に陥っているレニングラード。
 窃盗と脱走で逮捕されたレフとコーリャは、秘密警察のグレチコ大佐と取り引きした。自分たちの命と引き替えに、大佐の娘の結婚式にケーキを作るために必要な玉子を12ケ、1週間で手に入れろというのだ。
 しかし、食べる物に事欠き、餓死や人肉食が横行する街の中で鶏の玉子など見つけようもなく……。

 図書館の本まで食い尽くしてネズミもいないレニングラードで、17歳のユダヤ人少年レフが自称詩人で色男のコーリャと組んで、玉子を求めて銃弾をかいくぐっていく、シモネタ満載で、性欲と嘘と友情と生と死の物語。
 太った人間はやはり飢えには弱いんだそうです。気をつけよう……。

【卵をめぐる祖父の戦争】【デイヴィッド・ベニオフ】【ドイツの科学者は世界一】【敗残兵】【地雷犬】【チェス】
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「幻影の航海」 ティム・パワーズ

2011-03-19 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
 ティム・パワーズの作品には18世紀とか19世紀あたりを舞台とした話が多く、虚実入り乱れる登場人物が印象的でどれも不思議な魅力があって面白い。
 この『幻影の航海』では18世紀のカリブ海が舞台。

 シャンダニャックは貧困のうちに世を去った父親が、実は資産家の跡継ぎであったことを知り、財産を横取りしたらしい叔父を捜し求めて<がなり屋カーマイケル>号に乗って旅立つ。
 しかし場所はカリブ海。時は18世紀。当然のように行く手に立ちふさがるのは海賊船! <がなり屋カーマイケル>は内部の裏切りからあっけなく海賊に占拠されてしまい、シャンダニャックは海賊の仲間入りか死かの二者択一を迫られてしまう。
 かくしてシャンダニャックあらためジャック・シャンディは海賊の一味となり、不老不死の泉を求める旅へと連れ出されるのだが……。


 かなり史実通りの海賊たちが暴れ回り、それにゾンビやらヴードゥーの黒魔術やらがわさわさ出てくるかなりB級な歴史ホラー・ファンタジイ。これでもう少し薄くても良いんだけどなあ(最近は少し分厚くなるとそれだけで読む気が損なわれます)。
 映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』が好きな人なら、こっちも気に入るかも。(2007-11-30)

……てなことを書いていたら、ディズニーは本当に映画化するんだそうな。
 気がついたのは、ティム・パワーズの新刊が出た! しかも海賊もの! もしや『幻影の航海』の続編か!?と思ったら、続編ではなく『生命の泉』と改題して再版しただけでした。しょぼん。
 ちょっと調べたら、『パイレーツ・オブ・カリビアン4~オン・ストレンジャー・タイズ』は『幻影の航海』を翻案したストーリーになると昨年の内にプレスリリースが出てました。翻案ということは「大筋は一緒だけれど細かいところはかなり違う」という……まあ、原作付きジブリアニメというか、いつものディズニーですね。
 そして、新版の表紙イラストは、確かに表紙のイラストがジャック・スパローっぽかったです。

【幻影の航海】【生命の泉】【ティム・パワーズ】【ジョニー・デップ】【カリブ海】【海賊】【ブードゥー】【不老不死】
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