付け焼き刃の覚え書き

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「カナリヤ殺人事件」 ヴァン・ダイン

2011-03-23 | ミステリー・推理小説
「だれだって心中では人殺しなんだ」
 誰かを殺してやろうと思ったことのない者は感情のない者だとファイロ・ヴァンス。

 1920年代から30年代にかけて、アメリカの本格ミステリを牽引した巨匠ヴァン・ダイン。彼の書いた素人探偵ファイロ・ヴァンスものの2作目が『カナリヤ殺人事件』。

 ブロードウェイの美姫<カナリヤ>が殺された。容疑者は4人だが、いずれも犯人と断定するだけの証拠はない。
 マーカム地方検事を助けるため、美術愛好家ファイロ・ヴァンスは容疑者を集めたポーカープレイから犯人を断定するのだが……。

 本格ミステリ黄金時代の作品だけに、事件発生、現場の調査・検視、容疑者の事情聴取、関係者の証言とオーソドックスに続いていく展開は、今となっては何作も続けては読めません。でも、面白いのはさすが古典の力。
 創元推理文庫版の裏表紙には、この作品が映画化された際のヴァンス役の役者と作者が並んでいる写真が掲載されていますけど、この役者がムーディ勝山に見えて仕方がありません。

【カナリヤ殺人事件】【ヴァン・ダイン】【密室殺人】【アリバイ】【ポーカー】【自殺する権利】
コメント
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