ＺはゾンビのＺ、世界ゾンビ大戦。２億を超えるゾンビとの戦いの記録。中国奥地から発生した謎の奇病で死者が蘇るようになり、野火のように瞬く間に世界中にゾンビが蔓延した。各地の都市が滅び始め、日本人は国土を放棄し、ロシア軍では反乱が起き、限定核戦争が起きている地域もあった……。
「日本は滅びる運命にあったが、ぼくは日本に住んじゃいなかった。自由に漂う情報の世界に生きていたんだ」
京都の僧兵、もとオタクの近藤辰巳の言葉。物は言い様。
ゾンビ映画とか小説とか大嫌いなんだけれど、これが読めてしまうのは“過去の話”だから。ゾンビとの戦いがおよそ10年続き、その後10年が経過して……ということで、そりゃあ非道い戦いじゃった……と戦後になって生存者たちにインタビューする形式の本なので、基本的に結末がわかっているから安心して読めます。
それがホラー好きな人には欠点になるかもしれないけれど、こういう視点の話は新鮮です。
あと、立場の逆転が目立ったかな。特に経済封鎖されていたおかげでゾンビから逃れやすくなり、経済発展著しいキューバとカストロのくだりとかクジラとか。
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