付け焼き刃の覚え書き

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「わたしと男子と思春期妄想の彼女たち~2.外泊ですが何か?」 やのゆい

2011-05-21 | 学園小説(不思議や超科学あり)
「常識や日常なんて壊れるために存在しているんだよ」
 峰倉あすみの言葉。

 謎の僧からもらったコンタクトレンズの力で、彼女のいない男子たちが妄想で生み出す<妄想少女>が見えるようになったあすみだが、肝心の高柳君との仲は進展していない。
 そんなとき、ライバルのはずの河内利沙から豪華ホテルの宿泊券を渡された。このチケット10枚を使って高柳君が参加するスキーツアーを組めというのだが……。

 あまり後味がすっきりしないのは、彼女らがオカルトものだと自覚しているように、チケット泥棒を黙って許してやったから。一方的に利用され、精神的・肉体的な苦痛を与えられ、その上、肝心の犯人がなんの問題もなく望み通りの利益を得ているのはいかがなものか。
 言わぬが花というか、なんというか。他人を一方的に利用して成功したやつは、今は良いとしても、この先また何かあったら同じように他人を利用し、精神的に傷つけ、死ぬかも知れない状況に追いやり、しかも知らんぷりして濡れ手に粟を企むよ? 一回成功しちゃったから。
 そう考えると、どこかで保険をかけてない限り、彼女たちははなはだ軽率だったとしかいえないね。

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コメント
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