付け焼き刃の覚え書き

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「栄光の<連邦>宙兵隊~異星使節団を守護せよ」  タニア・ハフ

2011-05-13 | ミリタリーSF・未来戦記
「良い副官を持つことは、有利な位置と数の上での優位をあわせ持つに等しい価値がある」
 シルスヴィスの格言。

 部隊の半数を失う損害を出し、再編も半ばの宙兵隊部隊シークオ中隊に新たな任務が与えられた。連邦加盟を検討しているシルスヴィス族の星に送り込まれる使節団に、儀仗兵として一個小隊を同行させるというのだ。
 通常なら実戦部隊を儀仗兵とするなどあり得ない任務だが、連邦を構成する種族は多くても戦闘に耐える野蛮性を維持している種族は少ない。それに対してシルスヴィス族は戦士階級ばかりの種族であり、その戦闘種族に連邦加入を促すには実戦経験の豊富な部隊が伴っていた方が説得力を増すというのだが……。

 ミリタリーSFはあれこれあるのだけれど、陸戦もので軍曹が主役という話は多くありません。主役はたいてい士官コースに入ってしまって偉い人になっちゃうか、最初から偉い人なんです。でも、そんな小説でも必ず登場し、主人公たちを支え、兵士たちをまとめ上げ、部隊を仕切っているのは叩き上げの古参軍曹たち。
 この作品の主人公であるトリン・カー二等軍曹は、世に遍く存在する他の軍曹と同様に、眠ることなく、ちょっと目を話すと何をしでかすか分からない兵卒どもを統率し、戦場に目を配り、新米士官のお守りをしつつ、戦いに勝ち生き残るために最善の道を模索します。
 ひたすら厳しい状況が続く、この話の中で思わず笑ってしまったのは、兵士の何気ない一言に周囲が慌てふためくところ。家族の写真を見せたり「おれ、この戦いが終わったら」とか言い始めたりしたとこ。

【栄光の<連邦>宙兵隊】【1:異星使節団を守護せよ】【タニア・ハフ】【増田幹生】【籠城】【狙撃】【死亡フラグ】
コメント
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