付け焼き刃の覚え書き

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「神亡き屍戚の大地に~シュヴァルツェスマーケン(1)」 内田弘樹

2011-07-01 | 破滅SF・侵略・新世界
 異星起源種BETAの侵略により、世界規模の戦いが始まって幾歳月。
 人類は戦術機と呼ばれる人型兵器を投入することでBETAに抵抗しているが、その戦線は次第に後退を続けていた。そして1983年、東ドイツ。
 最強と謳われる東ドイツ軍の戦術機中隊<黒の宣告>の一員である衛士、テオドールは戦場で孤立した西ドイツ軍の衛士の少女カティアを救出する。死傷による戦線離脱者が甚大となっていた<黒の宣告>は、カティアを東ドイツに亡命させた上で自隊の一員とすることを画策するが……。

 内田弘樹といえば、巨竜シリーズなどの主流派の仮想戦記を執筆する一方で、『鋼鉄のアナバシス』といったライトノベル傾向の強い作品も書いていましたが、今回はファミ通文庫からPCゲーム『マブラヴ・オルタネイティヴ』を刊行。恋愛アドベンチャーゲームの皮を被った異世界ミリタリーゲーム『マブラヴ』の前日譚です。ライトノベルじゃなくて、完全に架空戦記の末期戦です。

 救いの見えない世界です。ただでさえ戦況は押され気味で人類滅亡かというときでも、政治士官は幅を利かせ、秘密警察シュタージ(国家保安省)が権勢を誇っているような状況が明るいわけがない。
 主人公たちも(裏でなんとかしようと動いている人はいるものの)正義とか誇りとか勇気とかは無縁で、BETAに蹂躙されないよう、味方に後ろから撃たれないよう、自分が生き残るのに必死。そんな中、たまたま助けてしまった自由主義陣営の少女の天真爛漫さには背筋が凍る思いです。
 こういう話で、別の世界から来た存在というのは、閉塞感を打破するような者であって欲しいのに、単なる考えなしで空気を読めないだけにしか見えないので、感情移入できません。普通の学園モノのヒロインだったら良かったのにね……と思いつつ読了。
 2巻以後、テオがカティアと手を組んで良かったと思えるような展開になることを願っています。

【シュヴァルツェスマーケン】【神亡き屍戚の大地に】【内田弘樹】【吉宗鋼紀】【CARNELIAN】【マブラヴ・オルタネイティヴ】【トロッキー】
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