
権力にふさわしい人物によって力は光輝を放つのだと、フィラ・マレルの言葉。
ランバルト優勢で進む戦いを良しと考えない者は、魔王領以外にもいた。コレバーン連合王国第三王女フィラ・マレルである。このままでは、たとえ魔王の軍勢との戦いが人類側の戦いに終わったとしても、それはランバルトによる支配の始まりに過ぎないではないか。
しかし、そのフィラ王女は軍事クーデターを画策したと疑われて幽閉中の身。そこで仕方なく、離宮を爆破して魔王領へと逃げ出した。
「わたしはおまえの嫁になりにきたのだよ。しっかり子供も産んでやるぞ」
魔王に嫁入りしてしまえばこっちのもの。王侯貴族からは煙たがられてはいるが、一般市民からの人気は高いフィラ王女の政略結婚は、かならずやコレバーンの国論を真っ二つに割るに違いない。コレバーンが親ランバルトに傾くことを阻止できればいいのだ。
この戦いの流れの中で祖国コレバーンが生き残るには、どちらかに肩入れせずバランスをとり続けなければならない。そのためなら、第三夫人でも雌奴隷でもなってやろうではないか……。
フィラ王女乱入編。そして、戦いは単に二国の争いではなく、世界全体の問題であることが強調されていきます。
やることなすこと無理無茶無鉄砲の王女ですが、基本的な考えは間違っていないし、あくまで祖国第一という姿勢はぶれていません。そう考えてみれば魔王田中さんもサンバーノ宰相もシレイラ王女も、責任ある立場にある者は誰も彼も好き勝手にやっているようでありながら、国家最優先という姿勢はフィラ王女と同じです。
そのあたりがこの作品の面白さの一端かも知れません。
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