付け焼き刃の覚え書き

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「バビロンまでは何マイル」 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

2011-07-19 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
「ものごとはひとつひとつ、順番にこなしていくもんじゃよ。いちどきに山ほどかかえこむことはなかろう。そんなまねをすれば、足をもつれさせてしまうだけじゃて」
 元騎手のスタンリー・チャーニングの言葉。

 ルパートはマジド(魔法管理官)で、マジドの仕事はいくつもの世界にまたがっている。
 旧ユーゴと北アイルランドの平和に奔走したかと思えば、恐怖政治を敷くコリフォニック帝国に赴いて皇帝が後継者を処刑するのに立ち会い、うんざりして帰ってくるとマジドの師スタンが死んでしまい、その後継者を選ばなくてはいけなくなる。
 ところが本人も自分が魔法使いということを自覚していない後継者候補は世界中を移動していて、1人もつかまえることができない。
 そこに皇帝が爆弾テロで主だった将軍や官僚や皇妃らもろとも暗殺され、コリフォニック帝国が大混乱という知らせが入ってくるが、どうやら“上”の方は帝国を混乱したまま放置したい気配がありありで……。

 魔法管理官が帝国の後継者探しと新人マジド選びを同時に抱え込んで大わらわという話。2つの難題のどちらもが、探している人物が“自分に何かの資格があることすら知らない”というのがポイント。
 最初は登場人物がどいつもこいつもいけ好かないやつだなと思っていても、読んでいくうちに視点が変わって、好感度がぐんぐんアップ(敵役はどんどんダウン)していくのが巧いところだけれど、ルパートがいつの間に彼女に惹かれるようになったかは、今ひとつ謎。単にSF大会系ドタバタの中で、他の登場人物が最悪の上書きばかりしているので、相対的に評価が上がっただけのような気がしないでもありません。
 ラストの報告書形式の回想は今いちだと思いますが、話全体は面白かったです。さすが、ダイアナ・ウィン・ジョーンズ。

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コメント
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