付け焼き刃の覚え書き

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「無垢なる願いの果てに~シュヴァルツェスマーケン(2)」 内田弘樹

2011-10-03 | 破滅SF・侵略・新世界
 とてもファンタジーなボディスーツが表紙のこのシリーズですが、シリーズ名がなかなか憶えられず、とりあえず勝手に「シバマケ」と略して認識するようにしてますが、その2冊目。

 戦況は最悪で、人類側の防衛戦は今にも崩壊しそうなドイツ戦線。でもドイツは東西分断されたままで、カティアらが所属している東ドイツも国家人民軍と国家保安省が主導権争いを水面下で繰り広げている。その結果、ただでさえ劣勢な前線の兵士たちは、その上、政治将校による監視とか内通者の密告とか意図的な補給の途絶や支援の遅れに苦しまされることに。
 そして作戦は失敗し、カティアとファムはBETA群に包囲されているノイェンハーゲン要塞陣地に救出されるが、そこも陥落は時間の問題だった……。

 メインキャラクターたちは使命感があって高潔で有能でも、武器弾薬は不足していて、誰か戦死したり負傷しても補充要員は届かず、敵の数は多くてきりがなく、上層部は縄張り争いと責任のなすりつけ合ってばかりの末期戦ですよ?
 いくら美少女たちが巨大な人型兵器で戦う話だからといって、ライトノベルでテーマが末期戦で大丈夫か?と心配していましたが、書店の売り上げランキングではそこそこ好評のようです。

「この戦争は負けが決まっているってのに、自分や連中もいずれ死ぬって分かっているのに……それでも、守りたいと思うんだよ。仲間を犠牲にしてでも、自分を犠牲にしてでも、なんとかしたいんだ」
 クルト・グリーベル曹長の言葉。

 理屈倒れで綺麗事ばかりを口にしていたカティアが、肉片飛び散る生身の戦場でどう変わったのか、次巻以後の動向を注視しましょう。

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コメント
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