付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「はじめてのクソゲー」 麻宮楓

2011-10-02 | 学園小説(不思議や超科学なし)
 本命の大作RPGを購入し損なった藤宮が、つい衝動買いしてしまったゲームは、バグだらけのクソゲーだった。
 つい友人相手に不満を口にしてしまうが、それを小耳に挟んだクラス委員長の天野雪緒はなぜか「レールの上を歩くだけの人生,」と皮肉って……。

 新品のゲームソフトを店頭で購入し、それが街の人々の会話が入れ替わっていて、店でアイテムが買えず、セーブポイントが見つからず、なにもないのに進めなくなり、街から外に出るなりボスキャラが出現するようなバグだらけのゲームに文句をいうヤツを馬鹿にし、こんなすばらしいゲームを絶賛する、こいつこそがクソゲーだろう?というヘンなヒロインと一緒にクソゲー攻略にはまってしまう少年の物語。

「操作性の悪さ、高すぎる難易度、理不尽な仕掛け。どれも最高よ」
 デゼニランドみたいな?

 このゲームのひどさは、すでにバグとかミスではなく、意図的に仕掛けられているだろうというレベルなので、ゲームの攻略を通じて主人公の世界が広がっていくという、『僕と彼女のゲーム戦争』とか『ソリッドファイター』といったゲーム攻略小説ののりでは読めません。ファンタジー級のひどさのバグなので。
 このバグのひどさを3ゲーム分くらいに分ければ良かったのにと思わないでもありません。『神のみぞ知るセカイ』でのエピソードにもありましたが、クソゲーでも攻略するという発想は面白く、ただ「1つのゲームにこれだけバグとかあったら消費者相談センター行きだよ?」というバグの多さがバランスを崩していると思います。
 そうだよ、バグのエピソードを3ゲーム分に分割して、クラス委員長との関係も更新していくようにすれば良かったのに……。

【はじめてのクソゲー】【麻宮楓】【ネムネム】【バグの宝石箱】【因果応報】
コメント
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