付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「未完少女ラヴクラフト」 黒史郎

2013-03-13 | 本屋・図書館・愛書家
「内容の良し悪しに関わらず、書はどのようなものでも守られねばならない。後世へ残すために綴られた叡智を傷つけることは、いかなる理由があろうとも、どんな権威を持つ存在にも許されない」
 ラバン・シュリュズベリィ教授の言葉。

 本好きで、酒場の看板娘にさせられそうな少年カンナ・セリオは、気がつけば赤黒い空の下の見知らぬ森の中にいた。足下には白い粉で描かれた五芒星と円。
 彼は<時を穿つもの カーナツェリオン>を召喚しようという怪しい教団の、滑舌の悪い信徒たちに誤召喚されてしまったのだ。
「あの人たち教団やる資格ないよ!」

 そうか、ラヴは0なんだ。
 作家と研究者の街として実在してしまったマサチューセッツ州アーカムの街から始まるオカルトホラーな冒険譚。本好きなだけの美少年が、なぜか美少女と化していたラヴクラフトに助けられ、たびたびSAN値喪失の危機にさらされながら、異形の仲間たちとともに恐ろしい神とその書徒の魔の手から逃走し、逆襲していきます。
 表紙サイコー。
  『クトゥルー・オペラ』で「クトゥルー」の名前を知り、『魔界水滸伝』で「ラブクラフト」という作家を意識し始め、『ネットゲーム'88』をきっかけにラブクラフトやらブロックの作品を読み始め、その後グルメになったりメイドさんになったり変身したりで現在に至る……。

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