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家族の経済は、膨大な惑星の生涯の中では勘定に入らないと国守夫人コーデリア。
マイルズが帰還した帝国の首都バラヤーは皇帝の戴冠式を控えて慌ただしい。皇帝直属の聴聞卿であるマイルズにはさまざまな仕事が降りかかってくるが、その合間を縫ってなんとか未亡人であるエカテリンに求婚しようと作戦を練るのだが……。
このシリーズの主人公マイルズは、数多の軍事作戦やら諜報工作やら政争を乗り越え、無数の敵に煮え湯を飲ませてきたのに、こと恋愛に関してはフーテンの寅さんとかシラノ・ド・ベルジュラックのレベル。今回に至っては、なんというか「めぞん一刻」の五代くん(金と権力はあるけど、相手は未亡人だし)。脳内イメージは一の瀬さんの胴体に五代くんの頭が乗ったマイルズ・ヴォルコシガン。
そしてまさに帝都は一刻館の様相を呈し、策士策におぼれるというか、案の定、ナイショにしたい本人をよそにお節介なおばちゃんやら余計なことしーな友人とか周囲が勝手に勘ぐったり煽りたてたり妨害したり先走って話を進めようとしたり……。
このシリーズ最大のトリックスターであるイワンは今回も健在。いつまでたっても分別が身につかないねえ。でも、結局、いつも自分の身を削って帳尻あわせしているような……。
今回も邦訳タイトルは今ひとつ。そのままシビル・キャンペーンとでもしてくれた方がわくわくしますし、この内容なら「どいつもこいつもオレのプロポーズを妨害しようとしている」というタイトルもアリ。
【任務外作戦(上)】【ロイス・マクマスター・ビジョルド】【創元推理文庫SF】【求婚作戦】【バター虫】【未亡人】