付け焼き刃の覚え書き

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「クレアが死んでいる」 エド・マクベイン

2013-03-12 | ミステリー・推理小説
「クレアなら誰も主人公を殺したとは言えまい」
 群像劇を書いているつもりだったエド・マクベインが、レギュラーキャラクターのスティーブ・キャレラ刑事を殺すつもりだったのに「主人公を殺すなんてとんでもない!」と編集者に反対され、結末を書き換えさせられたというのは有名な話。
 その憤懣やるかたないマクベインは、代わりにやはりシリーズ序盤から登場しているバート・クリング刑事の恋人クレアに白羽の矢を立てたのでした。まさしく、やつあたり殺人。
 ひどいや!

 本屋での乱射事件の現場に駆けつけた刑事たちは絶句した。被害者の中に、つい先刻までクリング刑事と電話で話していた恋人クレアの姿があったのだ。
 犯人は誰を狙ったのか? 87分署の刑事たちは被害者1人1人の人物像を掘り下げながら、犯人を追い求めていくのだが……。

 今の幸せが、平穏が、次の瞬間も保証されているとは誰にも断言できないのです。「一期一会」という言葉を聞いたとき、まっさきに連想したのが、この話でした。

【クレアが死んでいる】【87分署シリーズ】【エド・マクベイン】【ハヤカワ・ミステリ文庫】【乱射事件】【カーペンター】
コメント
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