
一緒に幸せを探すのに、出会ったばかりかどうかなんて関係ないとノエル。
どこからともなくやってきた少女は莫迦だとみんなが思っていた。いつも「幸せになる方法」を探していた。
だが、意外にも凄腕の狩人だった。
戦争になれば、無邪気なまま、苛烈で冷酷になった。巨大な二股槍を振りかざし、瞬きする間に人を殺す。必要とあれば訓練を受けた軍人のようにも、深謀遠慮な参謀のようにも振る舞える。
彼女はただ幸せを探しているだけだし、雨の日は嫌いなだけの赤毛の少女なのだが、人によって死神となり救世主となる……。
敗色濃厚な戦場を駆け抜ける1人の少女の物語。ウェブで最後まで読んだけれど、書籍でまとめ読みしても面白い。主人公のキャラクターがいつものようにつかみ所が無く、かつ衝撃的。まさに苛烈で冷酷で無邪気。
「最後の最後くらい自分で考えた方がいいよ。命令に従うか、従わないか、戦うのか、戦わないのか、生きようとするのか、それとも死を選ぶのか。だって自分の命でしょ?」というノエルの言葉が、たまたま読んだ水木しげるの戦争マンガとダブって見えました。ただ、水木しげるの戦記マンガの主人公とは違い、チートな美少女で、玉砕するどころかホワイトハウスに乗り込んでトルーマンをぶん殴りにいくような話になってますが。
しかし、小さな少女が大きな武器を振り回して、大人の兵隊をまっぷたつにしていく話は痛快と残虐が入り交じって、なんともさじ加減が難しいと思いますが、そのあたり絶妙なバランスでとらえどころのない英雄譚に仕上げています。
それは主人公自身に本当に自我と呼べるものがあるのかないのか、空っぽの器に雑多な思念が詰め込まれているだけじゃないかという不安定さが生み出す効果かもしれません。
【火輪を抱いた少女1】【晴れのち地獄】【七沢またり】【流刑地アンドロメダ】【エンターブレイン】【野盗】【皇位継承争い】