付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「遙か凍土のカナン(6)」 芝村裕吏

2016-02-11 | 冒険小説・旅行記・秘境探検
「人間を動かすなら、まずはその想像力を刺激して操るべきだな。良造。そうすれば、ほんの少しの暴力で、効率よく操ることができる」
 後に「鉄の人」をペンネームにする革命家、親切なヨシフおじさんの助言。

 気がついたら4年が経っていた。妻はもういない。
 だが周囲は、ユダヤ人も、コサックも、共産主義者たちも、良造に後妻をめとれと執拗に迫る。彼の気持ちが分からないではないが、諸勢力が呉越同舟で寄せ集まった街は不安定で、彼が後妻を決めなければどこかの勢力が候補者を続々と送り込んでくることが目に見えていたのだ。
 だから友人たちは言う、どの勢力にも属していない娘ジブリールを娶ってしまえ。いや、そもそもまだ抱いていないのか?と。

 未だ生まれざる国「シベリア共和国」の、“五人と一匹の國”から紡がれる新たなる歴史物語は急転直下。歴史が大きく動き出し,血もどっさり流れました。そして『マージナル・オペレーション』とのリンクもますます鮮明となりますが、願わくばこの物語が大団円を迎えますように。

【遙か凍土のカナン(6)】【建國篇】【さらば、愛しき姫君】【芝村裕吏】【しずまよしのり】【星海社】【凍土の英雄譚】【ヨシフ・スターリン】【プーチンスク】
コメント
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