付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「魔物のためのニューヨーク案内」 ムア・ラファティ

2017-03-15 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
「複利という金利計算方法は、ヴァンパイアによって生み出された。知らなかったかね?」

 不倫騒動に巻き込まれて職を失ったゾーイは、ニューヨークに戻ってきて職探し。
 たまたま前職と同じ旅行ガイドの作成スタッフの募集広告を見つけたが、なぜか誰も彼もが彼女を門前払いしたがる。経験者を募集していながら、経験者である彼女が職場になじめないと決めつけるのだ。
 半ば強引に押しかけ、採用を勝ち取ったゾーイだったが、実は出版社の社員は誰も彼もが吸血鬼やらゾンビやらインキュバスやらで、彼らのような人間以外の存在「希少種」のためのガイドブックを売り出そうとしていたのだ。
 前途多難ながら、とりあえずガイドブック「ニューヨークよろよろ歩き」の編集が始まったのだが……。

 「(株)魔法製作所」と同じく、ニューヨークを舞台にしたお仕事ファンタジー(ロマンス付き)。ジャンル的には、コミック・アーバン・ファンタジーっていうのかな。ゾンビやらドラゴンやら火の精やらやっためたらに登場するのだけれど、集合精神として機能して集合知になっている「ハト」の出番が意外になかったとか、ゴーレムはゴーレムというよりトランスフォーマーかガルバンだなというあたりはツッコミどころ。
 気になったのは、吸血鬼ハンターの例としてテレビドラマ「バッフィ」が挙がっていたけれど、これはちゃんと日本でもノベライズ翻訳とかが「聖少女バフィー」として出ているんで、既に邦訳があるものはそちらに準拠して欲しかったと思いました。

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コメント
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