「人間は何を消費して生きているか、知っているか？ 人は自らの『夢＝可能性』を消費して生きているんだ」人生に疲れた中年技術者は異世界の辺境領主の息子・ザックとして生まれ変わった。
彼を転生させた神は好きに生きて人生をやり直せば良いと告げたが、唯一与えた使命は「救世主を導け」というもの。やがて世界の危機が訪れる。それを救う救世主がやはり地球からこの世界に転生するが、それを助け導くのが役目だ。
自分に世界を救えと言われても困るけれど、手助けくらいなら良かろうと剣や魔法の修行に勤しむ一方、辺境生活を快適にすべく、前世の知識で産業育成を試行錯誤しながら、衛生や教育の問題を改革していく……。
本作りが丁寧で安心して購入できるＴＯブックスの異世界転生もの。「ドリーム・ライフ」のタイトルから受ける印象通り、能天気ではないけれど、ほんわりしていて温かい雰囲気の物語で、精神は40半ばの３歳児が、同世代の子供たちとの関係に戸惑いながら生きていきます。
１巻は内政チートがメインだけれど、３歩進んで２歩下がる的な試行錯誤の連続で、決してお手軽話ではなくて、その工夫と反省をどう活かしていくかがポイント。そうだよねえ、やはりユーザーのニーズはつかまないと空振りするよね。
そして、これだけならよくある異世界転生もののテンプレ的な話になってしまうのだけれど、なぜか酒造りが始まってドワーフが絡んでくるとそこだけ話がぶっ飛んでしまうところがミソ。このドワーフのぶっ飛び具合は、決してどいつもこいつもメインキャラにはならないくせに存在感ばかり大きくなり、数が増え、規模が大きくなり、どんどん表現が異能化していくのです。確かに、職人気質で頑強で酒好きという意味ではテンプレだけれど、どこまでエスカレートしていくかが楽しみの１つです。
【ドリーム・ライフ〜夢の異世界生活〜】【Trinitasシリーズ】【愛山雄町】【電柱棒】【ＴＯブックス】【小説家になろう】【ドワーフライフ〜夢の異世界酒生活〜】【水くみポンプ】【トイレ】【蒸留酒】【石鹸】
