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成長して大げさな言葉を使わなくなったアン・シャーリーだが、それは空想しなくなったわけではないのだ。
マシュウとマリラの兄妹はどちらも結婚しないままグリン・ゲイブルスで暮らしていたが、さすがにそろそろ農作業が辛い年齢になったので手伝いに孤児院から男の子を引き取ることにした。
ところがどこでどう話が食い違ったのか、駅のプラットフォームに降り立ったのはやせっぽちの赤毛の女の子だった。しかし、迎えに来たマシュウは女性が苦手で、欲しいのは男の子で女の子ではないと言い出せない。言い出せないまま少女と2人で馬車で帰ることになるのだが、その間寡黙なマシュウにかまわず、少女は突拍子もない詩的なことばを次から次へと話し続けるのだった……。
老兄妹に引き取られた空想好きな少女が成長していく物語。
村岡花子が講談社の児童向けに抄訳していたものを、原作出版100周年の2008年に村岡美枝が手直しして、単語の訳を現代風に差し替え、割愛されていたエピソードを追加。HACCANによるライトノベル的なイラストで復刊したもの。
親世代の視点で見ると、マリラはよくぞ、この空想好きで破天荒な少女の個性を殺さずにここまで躾けて育てたものだと感嘆するしかありません。ハイジの教育に成功したロッテンマイヤー女史みたいなものです。あと男の子は幼いうちは気になる女の子に意地悪したりしますが、そんなことをしても生涯嫌われることはあっても好きになってもらえることはないからね。そういう意味でギルバート、彼の存在は奇蹟なんだよ。
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