「世界をより良くしてきたのは、いつだって綺麗事を並べた挑戦者たちです」シャルロットは、父メルセンヌ公爵相手に言い切った。
黒髪黒眼のアルフレッドは、第三王子ながら周囲に忌み嫌われているが、あえて無能を演じて裏から王国を支えてきた。
その彼は、ある日、兄である第一王子レオルが王宮主催のパーティーで公爵令嬢であるシャルロットに対して、平民の少女ルシルを虐げていると断じて婚約破棄を宣言する場に出くわしてしまう。冤罪をかけられたシャルロットを救うため、アルフレッドが悪役を演じて周囲の避難を一身に受けることで一件落着と思いきや、何故かシャルロットがアルフレッドの婚約者になってしまう。
これまで他の王族を引き立てるため、「卑怯で悪辣な王子」を演じていたアルフレッドだったが……。
影に徹するのを止め、表舞台にでることを決意した第三王子が本当の才覚を発露していく英雄譚。つまり女を悲しませたくない男が意地を貫いたということ。
脇役ですがメイドのマキナが良いキャラです。身の回りの世話から諜報まで担当する万能ぶり。厚い忠誠心と主を主を思わない口の悪さが両立する元気っ娘っていうのは大好きです。
【悪役王子の英雄譚～影に徹してきた第三王子、婚約破棄された公爵令嬢を引き取ったので本気を出してみた～】【左リュウ】【天野英】【電撃の新文芸】【婚約破棄から始まる悪役王子のヒロイック・ファンタジー】【【能ある鷹は爪を隠す――◯◯隠し！】部門 《大賞》】【万能メイド】
