「アタシに勝てたら、ご褒美として彼女にでもなってあげようか？」“クロちゃん”こと神木玄人にはネットで知り合った仲の良い友達がいる。“ゴリさん”と呼ばれる女性ゲーマーで格ゲーもＦＰＳも強くて勝てたためしがない。お互い最初は礼儀正しく会話していたが、ゲームで熱くなると口が悪くなるのは格闘ゲーマーの常。気がつけば、いつも煽り煽られ、互いに言いたい放題だ。
ただ、なんのかのと言ってもゴリさんは一番親しい女性だし、基本は礼儀正しく、優しい良い人だ。年齢も一つ上の高校三年生らしい。なので、玄人は最近気になっている先輩への恋愛事も相談したりもするのだが……。
だいたいタイトルに書かれている内容が語られているうちが、物語はいちばん面白いのです。たとえば「無能の烙印を押された俺は成り上がって追放した奴等をギャフンと言わせる」というタイトルの話なら、追放した相手をギャフンと言わせるまでが本筋で、そのあとはすべてオマケの後日譚みたいになることが大半です（個人の感想です）。
この話もまさにネトゲ仲間として互いに言いたい放題だった相手と出会って、初めてリアルの知り合いだったと互いに気づくまでの物語。この予定調和の結末が明らかになるまでの過程をにやにやしながら読み進めましょう。
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