
血の海となった教室で、生首だけになってなお生きている妹の花乃を見つけた蒼汰は、彼女を持ち出して自宅に匿うと、隠された彼女の身体を探すべく怪異に満ちた街の夜へと足を踏み入れた。
盗まれた妹の身体を取り戻すべく、借り受けた呪刀を携えて床辻市内の怪異を狩って回る少年の闘争録。どろろと百鬼丸と似てるかなぁと思ったこともあるけれど、こちらの怪異はやられても身体の部位は落としていかないのだ。情報も残さないハズレくじが多すぎ。むしろ、首だけの妹を自宅に匿いながら面倒を見るというあたりは、むしろ育成ゲーム「Tomak」。
そして、そんな彼の前に現れるのは、敵か味方か、『迷い家』の主人と名乗る謎の少女、一妃。敵か味方か、人かあやかしか?という緊迫感のある関係の中、怪異殺しは続きます。
それまで普通の高校生だった蒼汰に武器を供給するマスターとか、サポート側の設定も魅力的です。こういうキャラは好き。
【不可逆怪異をあなたと~床辻奇譚】【古宮九時】【二色こぺ】【電撃文庫】