「クラスで２番目に可愛い女の子と友だちになった」 たかた

　朝凪海は可愛いけれど、いつも一緒に居る天海夕が祖母ゆずりの金髪美少女なので、男子からは『クラスで２番目に可愛い』という評価止まり。
　ところが、高校デビューに失敗してクラスに顔見知りすらまともにいない日陰男子の前原真樹と海が友だちになってしまった。どちらも人には大っぴらには言えないけれど、Ｂ級映画好きでゲーム好きという共通点があったのだ。
　かくして、金曜日の放課後だけの２人の内緒の友だちづきあいが始まったのだが……。

『同好の士、見つけたり。仲良くしてくれると嬉しいです。なんてね』

　サメ映画の話で盛り上がれる女友達って羨ましいぞ。甘酸っぱくて、愉しくて、周囲との関係に悩みながらも歩み続ける、いわゆるアオハルもの。
　今までも各レーベルに毎月１冊くらいは混ざっていた異能も異世界も妖怪も宇宙人も秘密組織も出てこない、普通の高校生男女の物語ですが、2019年の『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』あたりから次第に増え始めました。気がつけばファンタジア文庫の12月新刊９冊中、現代学園ものが６冊。電撃文庫も11冊中５冊と2020年半ばから急増。これもそうしたお話。１周回ってコバルト文庫創刊の頃のラインナップに近づいたという気もします。
　たいした取り柄もない少年がいきなり美少女と仲良くなれてしまうのがファンタジーなのかも。

【クラスで２番目に可愛い女の子と友だちになった】【たかた】【長部トム】【角川スニーカー文庫】【等身大の“友だち”ラブコメ】