付け焼き刃の覚え書き

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「悪役令嬢後宮物語」 涼風

2024-11-06 | 異世界転生
 クレスター伯爵家の人間は人相が悪い。顔が良くても何か裏で悪いこと企んでいそうとかいわれ、公明正大で領地を円滑に経営していても『エルグランド王国の悪を牛耳る、裏社会の帝王』と囁かれる。そのクレスター伯爵家令嬢ディアナは美しく聡明で、家族から愛されているのだが、やはり『氷炎の薔薇姫』と呼ばれ、美しく冷酷だというのだ。
 ところが、ある日突然、若き国王の側室として彼女が召喚された。後宮内での勢力関係を安定させるため、家柄重視の保守貴族と実績重視の新興貴族をとりまとめるためなのだが、クレスター伯爵家が王妃の座目当てに無理矢理に押し込んだみたいに言われ、しかもそれを当の国王が信じ込んでいるのだ……。

 統治能力は不明だけれど、経験も人を見る目も圧倒的に足りない国王の後宮に呼ばれた、悪役顔の伯爵令嬢の奮闘記。
 転生ものでもゲーム世界でもないけれど、善良なのに周囲から悪役令嬢と思われる主人公が、身分の低い娘に恋してダメダメな国王/王子に嫌われるところから始まる悪役令嬢もので、書籍化作品としてはほぼ元祖という代表作。帯にも「主人公が悪役!?」とありますから、発行当時はこの設定が珍しかったのですね。
 ディアナは後宮内で不正や不公正が蔓延らないよう目を配り、王にも直言し、王が恋する男爵令嬢シェイラを陰から庇護するのですが、結局エルグラント国王がダメなのですよ。正義感が強く、真面目で、やる気もあるけれど、経験が足りなくて視野が狭く、聞きたい言葉だけしか聞かない愚王。側近から「温室でぬくぬく甘やかされて育った坊ちゃん陛下」と評されるほど。
 この国はもうダメかもしれない……。

【悪役令嬢後宮物語】【涼風】【鈴ノ助】【アリアンローズ】【勘違い系コメディ】【小説家になろう

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