付け焼き刃の覚え書き

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「いつか猫になる日まで」 新井素子

2014-01-21 | その他SF(スコシフシギとかも)
「いつまでもあたしは歩き続ける。終着点が来なくても。決して猫になれる日がこなくても」
 ひなたぼっこしている猫みたいな暮らしにあこがれるけれど、今はそのときじゃないと海野桃子。

 近所の公園に空飛ぶ円盤が落っこちた。
 怪しげな緑のUFOに乗り込んだ、もくずちゃんこと海野桃子たち6人の男女は、そこで出会った宇宙人から、地球周辺の宇宙は、宇宙戦争の激戦区になっていることを教えられた……。

 統率、情報、技術、生命、攻撃、そして切り札。6つの力を秘めた地球人が、なりゆきから宇宙戦争に巻き込まれて……という話。
 新井素子といえば女子高生SF作家としてデビューし、ちょっとカワイイ、ほんわかした作品ばかり書いているかと思いきや初っぱなからそんなことは全然なく、表面にごまかされてはいけない作家でした。
 そもそも「お姫様が王子様と結ばれてハッピーエンド」で終わるならライトノベルな少女小説かもしれませんが、結婚した後でも辛いことや苦しいことはあるだろうし、喧嘩別れだってあるかもしれない。ならば、お姫様と王子様の結婚式の最中に、空から巨大な石が降ってきて物語をハッピーエンドでぶった切ることが正解ではないか?と発想する感性に、自分はかなり引っ張られました。星新一が支持したのにも肯けます。それで『ひとめあなたに…』を書いてしまうんだもんなあ……。
 ただ、この作品も、今となってはお笑いコンビ「モンスターエンジン」を連想せずには再読できません。
 暇をもてあました神々の遊び。

【いつか猫になる日まで】【新井素子】【コバルト文庫】【SFコメディ】

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