付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「黒剣(くろがね)のクロニカ01」 芝村裕吏

2017-01-06 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
「人も精神も、穢れるとすれば、それは自らの行いによってのみだ。他の何を以てしても、精神は穢れたりしない」
 人馬の教師ジジウムがフランに与えた言葉。

 アトランティス大陸が海没し、その住民が多島海に散らばり、数多の都市国家を形成していた時代。
 都市国家コフの貴族“黒剣(くろがね)家”の主と奴隷の間に生まれたフランは、陰湿な次兄オウメスから虐待を受けながら半ば奴隷として生きていたが、勇猛で知られる長兄トウメスから命じられ、婚姻の使者として隣市ヤニアに赴いたことから大きな転機が訪れる……。

 特殊性癖ファンタジー。
 本そのものには記載はないけれど、著者や編集者によれば「5年前に発見された哲人皇帝マルクス・アウレリウスの自省録の十三巻目と十四巻目を翻訳したものを底本としたもので、内容はアトランティスの生き残りを名乗るドライアドからの聞き取りを記録したもの。それまでの巻と全然違う荒唐無稽なものなので偽書とされているのだけれど、筆跡はまるっと本物であった」という設定で始まる物語。
 メインのヒロインは小百合家の姉妹だけれど、どちらかといえば姉で人馬のイルケを相手に、(速水厚志みたく)悲惨な境遇の少年が伝説級の特殊な趣味の性癖ではないかと疑われながらも命を賭けて挑む戦いの物語。死人がごろごろ出るし、裏切りも茶飯事だけれど、印象に残るのは「はみ乳から目覚める人馬愛」。古代オリンピックで知られるように、戦うときには素っ裸らしいけれどその手のイラストは1枚もないのが残念。

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