「もし我々をここへ運んだ時間変異が、自然界の復元力で我々を帰還させるとしたら、それは非常に短い時間に起こされる筈だからだ」
地震の余震のように揺り戻しがあるならとっくに起こっているはずだと考える伊庭義明は、もとの時代に戻れるか望み薄だと思っている。
もっともまだ復元力が発動されるほど歴史への干渉が足りていないだけという意見もあるのだ。
大演習のさなか、富山湾沿岸に集結していた自衛隊1個中隊が接岸していた哨戒艇もろともタイムスリップした。
接触した現地の武将の言葉によれば、今は永禄三年だというが、話を聞くに自分たちの知る歴史と微妙に異なることから、よく似た別の世界線であろうということになった。なにしろ織田家も松平家も存在しないのだ。
最上位の指揮官となった伊庭三尉は、春日山城の長尾景虎と協力体制を取ることにしたのだが……。
伝奇SF小説作家の生みの親である半村良が書いた、架空戦記の先駆けともいうべき作品。1971年にSFマガジンに掲載、75年にハヤカワ文庫JAから武部本一郎のイラストで刊行されていますが、これは78年に出た角川文庫版で、さらに79年の映画公開に合わせて表紙にスチール写真が使われた改訂版ですが、中身のイラストは永井豪です。
テクノロジーレベルが極端に違う勢力同士の戦いはどうなるのかという命題は、ポール・アンダースンの『天翔ける十字軍』 (1966年) でも語られていましたけど、内容紹介でいうところの「現代兵器を駆使する自衛隊が乱世に殴り込みをかける痛快無比な異色SF」って、今では全然「異色」じゃないですよね。異世界転移で現代知識と現代装備で無双してブイブイいわせる話で、イラストは有名マンガ家ですから、これも広義でのライトノベルということになります。
ただ、今の視点で読むと戦闘描写も簡素で、かなりあっさり風味。オチも70年代仮想戦記SFの定番です。今なら10倍の巻数で語られそうですね。
【戦国自衛隊】【半村良】【永井豪】【角川文庫】【異色SF】【歴史の修復機能】
地震の余震のように揺り戻しがあるならとっくに起こっているはずだと考える伊庭義明は、もとの時代に戻れるか望み薄だと思っている。
もっともまだ復元力が発動されるほど歴史への干渉が足りていないだけという意見もあるのだ。
大演習のさなか、富山湾沿岸に集結していた自衛隊1個中隊が接岸していた哨戒艇もろともタイムスリップした。
接触した現地の武将の言葉によれば、今は永禄三年だというが、話を聞くに自分たちの知る歴史と微妙に異なることから、よく似た別の世界線であろうということになった。なにしろ織田家も松平家も存在しないのだ。
最上位の指揮官となった伊庭三尉は、春日山城の長尾景虎と協力体制を取ることにしたのだが……。
伝奇SF小説作家の生みの親である半村良が書いた、架空戦記の先駆けともいうべき作品。1971年にSFマガジンに掲載、75年にハヤカワ文庫JAから武部本一郎のイラストで刊行されていますが、これは78年に出た角川文庫版で、さらに79年の映画公開に合わせて表紙にスチール写真が使われた改訂版ですが、中身のイラストは永井豪です。
テクノロジーレベルが極端に違う勢力同士の戦いはどうなるのかという命題は、ポール・アンダースンの『天翔ける十字軍』 (1966年) でも語られていましたけど、内容紹介でいうところの「現代兵器を駆使する自衛隊が乱世に殴り込みをかける痛快無比な異色SF」って、今では全然「異色」じゃないですよね。異世界転移で現代知識と現代装備で無双してブイブイいわせる話で、イラストは有名マンガ家ですから、これも広義でのライトノベルということになります。
ただ、今の視点で読むと戦闘描写も簡素で、かなりあっさり風味。オチも70年代仮想戦記SFの定番です。今なら10倍の巻数で語られそうですね。
【戦国自衛隊】【半村良】【永井豪】【角川文庫】【異色SF】【歴史の修復機能】
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