付け焼き刃の覚え書き

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「僕とおじいちゃんと魔法の塔(2)」 香月日輪

2010-06-09 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
「魔物も人間も、女は大して変わらんわぃ」
 呼び出しもしないのに魔法陣に出現する連中に、陣内秀士郎の言葉。

 龍神(たつみ)が岬の黒い塔に移り住んで4度目の春。高校にも無事に合格し、春休みを利用して泊まりがけで遊びに来た親友の信久や弟妹とも愉しくやっていたのだが……。

 かつては芸術家の卵たちが集まって暮らしていた梁山泊的な屋敷に、今度は怪しげな者たちが集まり始める話になりそうな話。回りくどいけれど、そんな感じ。空気を読みすぎる、出来の良い弟や天真爛漫な妹ともうまくやれているようでなにより。
 前作は1冊で完結して、続編なんか必要なさそうな話だったけれど、今回はあれこれ伏線引きまくって、3巻でも4巻でも出さないといけない雰囲気になってます。大魔女エスペロスも登場したのはいいけれど、信久くんが壊れ始めた気がして不安です。萌えとか言い出したらいかんよ……。
 児童文学的な説教臭さが気になる人もいるかな? けっこうストレートに、人と人との付き合い方やら社会での生き方について言い放つわかりやすさが諸刃の剣です。そういう意味ではかなりシニカル。

【僕とおじいちゃんと魔法の塔】【香月日輪】【魔女】【魔法陣】【裏金】【五感】

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