付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「地味なおじさん、実は英雄でした。」 三河ごーすと

2024-08-09 | 異世界結合・ゲート・ゾーン
 突如ダンジョンからあふれ出した魔物が東京を蹂躙した迷宮災害から18年が経過した2025年。迷宮でモンスターを倒す事で一般人では得られないスキルを手に入れたり身体能力が向上することから、迷宮に挑めるのは警察・自衛隊、そして資格を取得した冒険者に限定されているのだが、その様子を配信する冒険配信が昨今の流行だ。
 佐藤蛍太は、その迷宮配信者を扱っている三流誌〈アドベスタンス〉を発行している冒険書房の営業担当だが、彼は幼少時より「いい人」を演じ続けている。誰でも困っていれば助けてくれ、相談に乗ってくれる他人にとって便利な存在だ。今日も上司の理不尽な命令に従って、後輩の尻拭いだ。
 だが、そんな「いい人」でいるのもストレスが溜まってしまう。そんなとき、佐藤はバッティングセンターで気分転換してくるのだが、そんな彼を追跡していた姪の甘原光莉は、恐るべき真実を知る……。

「どうしよう。うちのおじさんが無双すぎる」

 社畜サラリーマンの秘密のストレス発散法がネット界隈に大きな波紋を呼ぶサラリーマン無双小説。
 本人にとってはただのストレス発散なんだけれど、実はそれが国内トップレベルの迷宮攻略になっていて、後始末で拾って帰るゴミが実は100万単位で値が付くのだけれど無頓着に物置でゴミの山になっている。そんな主人公の様子を姪っ子がこっそりネット配信して大騒ぎに。ただ、それでもおじさんは詳しいことは聞かずに自分を利用できるならしろ。遠慮はいらない。家だって金だって欲しければあげる。家族だから。愛せるものはもう姉と姪しか残っていないから……と好きにやらせます。すべて迷宮災害の後日譚みたいなものです。
 自己評価が低く、社会的に報われていない主人公が、偶然からのダンジョン配信で脚光を浴びる話が最近の主流ですが、これはダンジョンが日常になってはいるけれど、そのダンジョンによる爪痕が人の心に刻まれたままの世界ということでまた読後感が変わります。

【地味なおじさん、実は英雄でした。~自覚がないまま無双してたら、姪のダンジョン配信で晒されてたようです~】【三河ごーすと】【瑞色来夏】【ダッシュエックス文庫】【地味なおじさんの無自覚成り上がりファンタジー】【今、私は冷静さを欠きつつあります】【新宿バット】

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