「わが名はコンラッド」 ロジャー・ゼラズニイ

「愛は憎しみの否定形だ」
　ベガ人の俳優、ジャーナリスト、コルト・ミシュチゴの言葉。

　太陽系全域にまで活動領域を広げた人類も、三日戦争によって地球の大地の大半は放射能に汚染された。地球人は訪れたベガ人によって救われ、銀河系のあちこちに居留地を作り、移民として社会の最下層を構成していた。だが、近年は地球回帰運動が盛んになり、地球人は荒れ果てた地球へと帰還し始め、ベガ人の黙認のもと地球政府を立ち上げている。
　そんな地球の各地を訪問しようと取材旅行で訪れたベガ人ミシュチゴの案内人に、コンラッド・ノミコスと名乗る男が指名された。
　しかし、この醜いギリシア人、コンラッドの過去は謎に包まれている。記録に残されているだけでも、過去３世紀ほどの間に彼の身体的特徴と一致する者が何人も存在していた。
　彼こそは数世紀にわたる異星人支配者との戦いの歴史に、いくたびか異なる名でその偉業を刻みつけてきた不死の人だったのだ……。

　全面戦争によって汚染され、奇形化した凶悪な獣や人ならざる者が跋扈する地球を舞台にした、半神半人のような男の物語。

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