「魔王様は回復魔術を極めたい」

　異法世界マナガストにおいて、魔王ルブルヴィムは最強であった。
　剣術・槍術・拳闘術・魔術とあらゆる術理を極め、何度も攻め込んでくる勇者一行をその都度撃退し……というか、戦いの前には勇者たちを回復してやってから戦いに臨み、そして一蹴する。だが、ある日、ついに魔王はキレた。
「なぜだ！　なぜ、お前たちは弱いのだ!?　我がこんなにも日夜腐心し、回復魔術の研究をしているのに－－－－なぜ、お前たちの弱さは治らんのだ!?」
　魔王が唯一極めることができなかったのは、あらゆるものを治す回復魔術。
　そんな魔王に、決戦の場に姿を現した聖霊エリニュームは回復魔法に適性を持つ人間への転生を提案した……。

　回復魔術の専門家である聖女になるため、人間に転生し、魔術学校に通うことになった元魔王の５歳児ルブル・キル・アレンティリの学園生活。そもそも魔王だった頃の感覚が抜けず、人間としての常識も身につかないまま学園デビューしたことから学園に騒乱が巻き起こります。
　生まれてまもなく言葉を発するどころか一気に成長してしまうあたり、『地球へ…』のトォニィを連想してしまいましたが、それ以上に強いです。人種が変わり、幼女になっても最強です。そんなルブルが、回復魔法とは何か、他人を癒やすとはどういうことか、悩み迷いながら魔族の陰謀に立ち向かいます。

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