付け焼き刃の覚え書き

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「オルクセン王国史3」 樽見京一郎

2024-11-16 | 異世界転生
「敵が失態をやらかしているときには、そっとしておいてやれ」
 戦争の天才アルベール・デュートネの言葉。

 皇歴876年10月26日、オルクセン王国はエルフィンド王国に対して宣戦布告した。
 しかし、エルフィンドの外務省は宣戦布告への対応が遅れ、女王への報告は夜が明けてからというありさまだった。これまでなら宣戦布告してから動員を開始し、実際に戦端が開かれるのは1ヶ月後というケースが多かった故の油断ではあったが、オルクセンがそれに合わせる必要はなかった。
 その日の夜には水雷戦隊が停泊中のエルフィンド艦艇に雷撃を仕掛け、陸軍は一斉に国境を越えた。先陣を務めるのはまだ編成を終えて3ヶ月というダークエルフ族戦闘集団、アンファングリア旅団だった。突破するのはかつて彼女らが警邏していた国境線、制圧するのは彼女らが拠点としていた要塞、彼女らが暮らし治めていた村々だった……。

 ついに開戦。白エルフの国に侵攻するオーク(その他の種族連合)の軍団。第一次・二次大戦をモチーフにした闘いが繰り広げられていきますが、メインはもっぱら海戦。水雷戦から通商破壊戦まで海の戦いを堪能させてもらいました。宮崎駿がコミカライズしても不思議はなさそうな屑鉄戦隊記とか。もともとが「エルフの森を焼く」というネットミームから生まれた、ある種のパロディ的な作品だけに、戦記とお遊びのバランスが良いです。
 参考文献も更新されていますが、第二章分でコーネリアス・ライアンの『史上最大の作戦』が漏れてないかな? 参考文献にはダドリ・ポープの著作が散見されますが、学生時代の先輩が「ダドリ・ポープは訳が読みにくい」とぼやいていた事とか懐かしく思い出しました。あれは元の文章のせいなのか、訳のせいなのか。

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