「公爵令嬢は我が道を場当たり的に行く 2 」 ぽよ子

「我が忠誠は､国に。我が剣は、貴女様をお守りする為に。我が全ては、貴女様の御為に。この身の全てを捧げることを誓います、我が主君」
　護衛騎士アルフォンス・ノーマンはエリザベス・マクナガンに騎士の誓いを捧げた。

　成り上がりの伯爵令嬢マリーベル・フローライトは某乙女ゲーのヒロインであり転生者である。
　しかし、彼女は身の程にあった小市民的な生き方を選択し、ゲームに関わらずに生きていこうと決意したのだが、そもそも彼女の記憶力はポンコツだった。この世界がゲームそっくりで、自分がヒロインであることには気づいたものの、なんか漢字とカタカナだった気がするけれどタイトルはまったく思い出せない。定価は覚えている。税抜き4580円だ。オープニングテーマがクソダサで、何度もリピートして聞いていたので口ずさむこともできる……。

　３つある学校の中で最難関のスタインフォード学院へ通うことになった公爵令嬢エリザベスの学園篇。まだゲーム開始前なんですよーとマリーが泣いても話は進むのだ。ついでにいうと、エピローグとか物語の謎解きも含めて本編完結。まことに人に勧めやすい長さです。
　ゲーム世界転生なのに、メインキャラは誰もシナリオ通りに進める気はなく、そうするといきなりゲームはぜんぜん関係なくなるかと思いきや、しっかり物語の真ん中にタイトル不詳のゲームが鎮座しているあたりは手堅い構成。その上で、お気楽極楽に物語がテンポ良く流れるストレスフリー。ストレスになりそうな要素は王太子がきっちり取り除いちゃうので、そういうのはほとんど視野の外なのです。

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