
商隊の御者兼護衛のタールベルクは、猫人のジェロを諭し励ました。
ワイバーン討伐の功労者であり、アーネスト第一王子まで暗殺された反貴族派の王都襲撃事件においてエルメリーヌ王女を護りきったニャンゴは名誉騎士の称号を得た。さらにニャンゴ・エルメール卿として国王お墨付きの金級冒険者となり、〈不落〉の二つ名を贈られた。
都に来てから厳しい訓練の日々が何年も続き、いまだ騎士見習いの身であるオラシオにとって、そんな旧友ニャンゴが眩しくもあり、妬ましくもあった。でも、それでもニャンゴは同じ村で育った幼馴染みとしてオラシオに向き合ってくれるのだ……。
ニャンゴと親友オラシオとの再会からの王都観光から始まる5巻です。いまだ首謀者が捕まらない襲撃事件の対応やら波及した王位継承争いに巻き込まれそうになりますし、用途不明な魔法陣の研究も任されたりしますが、この巻のポイントとしては、黒猫カバジェロの物語が始まったこと。
もう1人の黒猫。無能な領主の下、貧しすぎて滅びた村の出身。体力も魔力もない最弱の猫人として虐げられてきたカバジェロは、復讐のため、世直しのため、今よりマシに生きられる世界のためにテロリストの走狗として襲撃事件に関わり生きのび、逃げ出した先で右手右足を代償に少しばかりの魔力を得ました。そのカバジェロが新人冒険者のジェロとして世の荒波に揉まれていくサイドストーリーが挿話としてはさまれていくことになります。もしかしたら、ニャンゴが辿ったかもしれない道。周囲の人々がもう少し優しくなく、ニャンゴに前世の記憶が蘇られなければ同じルートに突入していたかもしれない、まさに光と闇の対照です。この彼の存在が、物語にさらなる深みを与えてくれます。
そして、フォークス兄は真面目に着々と実績を積み上げています。偉いねー。
【黒猫ニャンゴの冒険5~レア属性を引き当てたので、気ままな冒険者を目指します~】【篠浦知螺】【四志丸】【ドラゴンノベルス】【猫人の異世界冒険譚】【小説家になろう】【カクヨム】【生姜焼き】【魔力回復魔法陣】
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます