付け焼き刃の覚え書き

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「勇者イサギの魔王譚(2)」 みかみてれん

2015-02-02 | 異世界転移・召喚
『いつまでも一緒だからね、イサギくん!』

 イサギは元・勇者であることを隠し、ただの中二病の高校生イサとして、同じく魔王城に召喚された現代日本から来た少年たちと訓練の日々を送っていた。自分が倒した魔王の娘を助けて。
 だが、そんなイサギの前に姿を現したエルフの少女は、彼を見て言ったのだ。「イサギ、おにいちゃん……?」と。
 そこに襲いかかってくるのは、不死身の冒険者たち……。

 そりゃあ、相手の視点からみたら、死んでも死んでも復活して襲いかかってくる冒険者なんて、バケモノ以外の何者でもないよね。今回も上げて落として、また上げて、さらにたたき落とすという浮き沈みの激しい展開の連続で、勇者の回想も交えながらどんどん話が進みます。
 そもそも魔王を倒しても攻守を変えただけで戦いは終わらなかったし、今回も襲ってくる新たな勇者を倒したからといって戦いが終わる保証はなく、そこに気づいたところからイサギの新たな第一歩が始まるわけですが、それすら正しい方向に歩いているとは限らないのです。
 現代日本から承諾もなしに異世界に連れてこられ、何の保証もないままに世界を救うためだと戦争に放り込まれる状況を「ストックホルム症候群」とはよくぞ言った。さすがにそんなにステロで強引な展開の作品は多くないけれど、一度言われたらもうそうとしか見えてきません。

【勇者イサギの魔王譚(2)】【それすらも幸せな日々だと気づかずに】【みかみてれん】【荒川眞生】【エンターブレイン】【ストックホルム症候群】【再会】【激闘】【瀕死】【裏切り】

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