付け焼き刃の覚え書き

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「慚愧の赤鬼」 平谷美樹

2015-01-29 | ホラー・伝奇・妖怪小説
 表紙イラストの百夜さん、くっきりした目鼻立ちに太い眉毛で15かそこらの美少女のはずですが、ちょっと老けて見えますね。

 津軽から江戸に出てきて長屋住まいの百夜は、死者の口寄せもするし、厄払いもおこなう祈祷師だが、彼女のもとへ左吉が持ち込んでくる仕事は、なぜか付喪神がらみのものばかり……。

 なんとなく付喪神の調伏が専門みたいになっているけれど、本業はイタコという美少女修法師・百夜(仕込み杖付)による怪異譚の2作目。
 作られて百年二百年経つものが付喪神になるというより、それだけの間、人の思いを受け続けたものが妖怪化するというようなので、つまるところは人の心が起こした事件ということになります。人間がいちばん怖くて、いちばん面白いのです。だから邪悪な相手も出てくるけれど、基本的には人情話が多くなります。
 仕事では役に立たない佐吉ですが、あいかわらずネーミング・センスはなかなかのもの。百夜と佐吉のコンビで物語はテンポ良く進んでいきます。 

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