付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「羅小黒戦記」 監督・原作:MTJJ

2020-01-03 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
「僕はただ森へ帰りたい」

 現代社会にも妖精は存在している。
 黒猫の妖精羅小黒(ロシャオヘイ)は、人間の開発によって棲み馴れた森を追われ、安心して暮らせる場所を探してあちこちを放浪していたが、人間に襲われていたところを同じ妖精のフーシー(風息)に救われた。そして、連れて行かれた孤島の森で、そこに隠れ棲む大勢の妖精と羅小黒は知り合い、新しいお家を手に入れたのだ。
 しかし、落ち着くまもなく森は妖精を狩る執行者ムゲンに襲撃され、羅小黒は妖精たちと離ればなれになってしまう……。

 2011年からYouTubeなど動画サイトで公開されている、猫の妖精の冒険を描くウェブアニメの劇場版。ただ、日記まんがというかおまけアニメ的にシンプルな絵柄のウェブ版に対して、こちらは絵柄からして別物。「機動警察パトレイバー」でいえば、the movieとミニパトくらい違います。ストーリーは、ロードムービーでバディもので師弟もので異能バトルになっていて、「ナルト」と「イナズマイレブン」を足して「平成たぬき合戦ぽんぽこ」を掛けたようなストーリー。中国アニメだけれど、日本アニメの良いところの影響を強く受けてますね。
 名古屋で公開しているのは、席数40のシネマテークのみ。それでも、正月2日から満席で、学生時代は常連だった妻に言わせると「ありえないくらい女性客が多い」。うん。大人のおねえさんが多くて、「良かった! また来る!」と言いながら帰って行きました。緩急が付いていて分かりやすいストーリーに魅力的なキャラ、ユーモラスな芝居に派手なアクション。吹き替え版にしたら子供でも楽しめそうです。
 円盤出ないかなー。

【羅小黒戦記】【ロシャオヘイセンキ】【THE LEGEND OF HEI】【MTJJ】【寒木春華スタジオ】【空飛ぶイカダ】【AKIRA】【ナタクのトレードマーク】【無銭飲食】【免許はない】【スマホは防水じゃない】
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「ゆうきまさみの新しい世界」 ゆうきまさみ

2020-01-02 | 巨大ロボット
 アニメ「機動警察パトレイバー劇場版」1作目の公開に合わせて刊行されたムックで、劇場版のカットやコンテを使ったストーリー紹介、スタッフやキャストのインタビューや対談などが満載なのだけれど、副題に「ゆうきまさみの新しい世界」とあるように、押井監督ではなくゆうきまさみメインで構成されている、今となっては珍しい例。ゆうきまさみによる泉野明の思い出アルバムとか、最初のOVAに合わせて発表されたコミックのパイロット版の再録とかが印象的です。
 巻頭にセル画を再現したイラストが挟まっているのも、この時代ならでは。アニメのセル画を模したプラスチック製イラストをムックの折り込みに入れるのが、このあたりまでのアニメムックの流行りなのでした。

【機動警察パトレイバー・劇場版―ゆうきまさみの新しい世界】【少年サンデーグラフィック・スペシャル】【小学館】
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「ウルトラQ Vol.5」 円谷プロ

2020-01-01 | 怪獣小説・怪獣映画
2020年は挑戦!
 あけましておめでとうございます。
 うわー、2020年ですよ。人類がどんな状況に陥っているかまったく分からないと言われた2020年ですよ。う、わー。本当に2020年だよ。

 さて「ウルトラQ」は、日本初の特撮テレビ番組であるけれど、ウルトラマン以降のヒーローもの、怪獣ものではなく、さまざまな不思議や怪奇、アンバランスゾーンに遭遇する普通の人間の物語です。再放送で「ウルトラ」と名が付くから怪獣の登場するヒーロー番組だと思ってテレビを点けた子供は、ドッペルゲンガーや幽霊屋敷、ドアが開かない電車に絶叫することになります。
 主役というか物語の語り手は、新聞社の女性カメラマンである江戸川由利子、彼女が空撮や出張などで利用する星川航空のパイロットの万城目淳とその助手の戸川一平の3人。これに、なんでも知っていて、警察の検問もフリーパスの一の谷博士が加わって話が進むわけですが、必ずしもいつも全員出てくるわけじゃなく、「カネゴンの繭」の回なんか誰も登場しないもんなー。でも、この時代は、報道関係者が正義の熱血漢として行動していて何の疑問も起きなかったのです。いまやフィクションの新聞記者といったら、思想的に偏っていて、事実をねじ曲げて報道するチンピラ扱いばかりだもの。

 この巻は怪獣や宇宙人の登場しないデイストピアSF「1/8計画」や人間消失事件に挑む「2020年の挑戦」などが収録されています。巨大怪獣から海底人までなかなかバランスの良い巻です。

【ウルトラQ Vol.5】【8分の1計画】【虹の卵】【2020年の挑戦】【海底原人ラゴン】【円谷プロ】【佐原健二】【桜井浩子】【西條康彦】【江川宇礼雄】【田島義文】【放射能】【時間旅行】【人口過密対策】
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