「もちろん、これからも精一杯生きていく。
その精一杯は、もしかすると他人から見ると本気には見えないかもしれない。
でも他人から見る人生なんてそんなもんだろう？」
ルーデウスの書・26巻より。
知の魔王といいつつバカとしか思えない筋肉ダルマ、闘神バーディガーディが第二次人魔大戦で猛威を振るった最強の存在というのはウソではないらしい。闘神鎧を身につけたバーディガーディは誰にも止められない。ルーデウスやエリスも、ルイジェルドやスペルド族の精鋭たちも、北神カールマン二世も、不死魔王アトーフェラトーフェも、片っ端から瞬殺だ。
そんなバーディガーディにルーデウスは「またヒトガミに騙されてますよ？」と説得を試みるも、騙されてもまた謝ってくれば許してやるだけだからと剛毅な回答。敵に回すとやっかいな御仁だ。こちらはバーディたちとは違って不死身でもなんでもない自分と家族の命がかかっているのだ……。
何者にもなれないまま最低の人生を終わらせた男が異世界に転生し、前世の生き方を悔いてやり直す大河ファンタジー、『無職転生』もついに完結。誰にも頼れず孤独なまま死んだ男が、人に頼ることを覚え、仲間や友人や家族を増やし囲まれて大往生するまでの物語です。収録はエピローグまでと４０頁超のキャラクターデザイン集。
現実社会で不遇だった主人公がいきなり過去とか異世界に飛ばされて、なぜか元の世界にはなかったスゴい能力を手に入れたり、元の世界では使う価値もなかったスキルや知識の価値が高まったりして大活躍してしまう……という話そのものは、マーク・トウェインの『アーサー王宮廷のヤンキー』(1889)とかエドガー・ライス・バロウズの『火星シリーズ』(1911)とか有名すぎる
先行作品は100年前からあるのだけれど、2010年代あたりからの異世界転生・召喚ものって、またちょっと違うんですね。
もともとの未知の世界に乗り込んでフロンティアを開拓して成り上がってやるぜ！的なアドベンチャー的なものに、現実社会では才能が埋もれてしまってブラック企業で酷使されているサラリーマンやＯＬが新天地で正当な評価を受けて開花するサラリーマン小説的なものと、2011年の東日本大震災などを契機にまだまだ活躍できるはずの人間があっさり消えてしまったことへの鎮魂的な話（『
異世界誕生2006』とか『私の息子が異世界転生したっぽい』とか）が混じってしまったような感じです。
そんな中、いろんな方面にバランス良く、しかも波瀾万丈な大河ファンタジーとして完結したのがこの作品。前世で引きこもりだったことからのトラウマを克服し、人に頼り、家族や友人や仲間を増やしていきます。異世界転生してチートな力を手に入れ、名声を高め、ハーレムを築いて大暴れという話の先駆けともいうべき作品です。
表紙イラストが１巻、13巻、26巻だけは家族の集合写真というあたりも計算された本造りが伺えます。よくある、とりあえずかわいい女性キャラの絵をコラージュしてみました……みたいな表紙イラストではなく、いろいろあっても、孤独だった男が「異世界行って本気だして」家族を手に入れるまでの物語というテーマ的なもので１本芯が通ってるんです。増えた顔あり、いなくなった顔ありでしんみりさせられます。
あえて指摘するなら、「アスラ王国人物録」はウィキのパロディ的な章でもあるので、ここは横書きで読みたかったかなあ。
【無職転生～異世界行ったら本気だす～26】【理不尽な孫の手】【シロタカ】【ＭＦブックス】【人生やり直し型転生ファンタジー】【小説家になろう】
暗殺に怯え、無力で無能な少年の仮面をかぶり続ける皇帝カーマインだが、ついに起死回生のチャンスが巡ってきた。即位式の日取りが決まったのだ。
「国はいつか滅ぶ。人はやがて死ぬ。全ては無駄なことかもしれない。
『破壊の怪獣』と呼ばれる謎の怪獣により世界は滅びようとしていた。
「漫画に使えるかも知れません。推しの出産シーンとかに」
「面白いとはそれを見せる人間が決めるのではないです。受け取った側が発する気持ちです」
海外の遺跡や世界遺産の写真を撮りまくり、『異世界に一番近い場所～ファンタジー系ゲーム・アニメ・ラノベのような現実の景色』といった写真集を出していて他写真家が、コロナ禍で海外旅行に行けなくなったので国内で撮影して回りました……ということを見終わった後に知りました。
「普通の生活の何気ない会話の中に、いきなりひらめく刃」
本編最終話から番外編、後日譚の「エルリーゼ日本来訪篇」まで収録。刊行当時はこの作品で大丈夫かと思いましたが、無事に完結！
「20年前のわたしには、38にもなった人は、まったくの女メトセラだと思われたわ」
「英雄的資質とは運の悪い習性でな」
ラーメン専門とかエリア毎のカフェを紹介するムックはもはや定番なんだけれど、宝島社はここ最近、はなまるうどんとか銀だことか丸源ラーメンとか店舗限定のムックを出しています。そして今回は名古屋圏で強いスガキヤ FAN BOOKです。名古屋のソウルフードともいうべきラーメンの代表ですが、あまりに当たり前すぎて全国区のマスコミで「ご当地ラーメン」というと空気のようにサラッと無視されるスガキヤです。発売時から１年有効の、トッピングか大盛りが無料になるパスポート付き。
「やりたいように生きて、楽しんだら死ねばいいじゃないですか」
「女が弱い者にやさしいのはあたり前のことじゃないの？ そうじゃなきゃ、人類もういないわよ」
嫁に浮気されて離婚したのに、子供の親権はとられるし持ち家も失い、気力を失った男はワンルームでゲームだけをして生きていた。面白いのはヘンに表現規制に配慮してない同人ゲームだ。そんな領地運営ゲーム『悪徳貴族の生存戦略』をやり込んでいた男は、気がつけばゲームそのままの世界に転生していた。
