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臨床研修の見直し

2009-02-19 16:14:50 | Weblog
2004年導入された新医師臨床研修制度は地域の医師不足を加速させ、大學を
頂点に構築された医療体制が根本からゆらぎ始めました。 
今回厚労省と文科省の有識者会議は地域への医師派遣機能等を見直しの報告書を
纏めました。
我が国の医師の研修制度は戦後インターン制度から始まります。
是は医学部卒業後1年間の研修期間を終了しないと、医師の資格が得られませんでした。
このインターン制度が廃止され、医師国家試験に合格すれば、臨床期間無しで
開業や診療が行える様になりました。
ただ、医師資格を得た後2年間、大學で臨床を積む事が努力義務となりました。
所謂無報酬の研修医のお礼奉公と言われるシステムです。
この努力義務を行う事で、大學の医療システムに組み込まれ終身食いはぐれの無い
身分保障がされました。
研修医の身分保障や基本的臨床能力の習得のため新しい制度改革が求められて来ました。
それが新医師臨床研修制度です。
これは今まで研修医の努力義務だった研修制度を内科、外科、救急部門での研修
実施を必修化し、同時に研修医を受け入れる施設基準を明確にして研修に専念
出来る様に経済的保証も確立し臨床研修を義務化しました。
研修医にとっては待遇改善になったが、兎角リスクの多い産科、小児科等が敬遠 され、設備の良い都会の医療施設に研修医が集中し、今まで公立や民間病院に  研修医等派遣していた大學が途端に医師不足で派遣医を引き上げてしまいました。
地域的医療格差や、産科婦人科医や小児科医不足が生じ、医療崩壊として、今や 社会問題化して来ました。
今回は研修期間は従来通り2年で義務付けられて居る7科の診療科を1年目に  内科6ケ月以上。救急科を3ケ月以上。2年目に地域医療科を1ケ月以上の3科に削減した。
1年目に選択必修として外科や麻酔科、小児科、産婦人科、精神科から2科目を 選択して研修を受ける。
残る期間で将来希望する専門部門の研修や実技習得に実績を積む。
また都市部への研修医集中を避けるため、各府県別募集定員の枠を新設する。
また各病院毎の定数も過去の研修医受け入数を考慮して行う。
各大学は地域への医師派遣の実績で定員配分を優遇すると言う思い切った提案です。
是で地域医療の崩壊を食い止めて、大學を中心の今までの医師派遣機能の再構築が
出来るか?
しかし研修医の犠牲の上で地域医療の崩壊を食い止めた等無い様に願いたい。
研修医の将来、地域医療の将来果たしてどちらが大切か?