日々好日

さて今日のニュースは

後期高齢者医療制度の中間報告案纏まる

2010-07-24 10:33:45 | Weblog
厚労省の有識者会議「高齢者医療制度改革会議」が纏めた高齢者医療制度に関する
中間報告書の内容が明らかになりました。

新制度は2013年4月導入を目指し、呼称は国民健康保険と健康保険組合等被用者保険の
二本立てに改める。

従って75歳以上になると強制的に後期高齢者医療制度に加入させられる事はなくなる。

現在75歳以上の「後期高齢者」は1400万人居ると言われて居ます。

後期高齢者のうち自営業者や無職の人900万人と国保加入の子供や配偶者に扶養されて居る
300万人の後期高齢者は国民健康保険に所属変えを行う。

会社勤めの30万人の後期高齢者と、会社勤めの子供や配偶者に扶養されて居る後期高齢者の
190万人の人達は健保組合等へ戻る。

後期高齢者医療制度の1400万人を1200万人を国民健康保険に戻し200万人を被用者
保険に鞍替えする事になる。

是まで扶養されているにも拘わらず保険料を支払わされ居た扶養者は今後扶養して居る人が
支払う事になります。


現在国民健康保険は各市町村が運営し、後期高齢者は各都道府県が運営しています。
新制度では国民健康保険に戻る1200万人についての運営は是まで通り各都道府県の広域
連合が運営し、名前だけは国民健康保険となります。

但し将来的には国民健康保険は全て各都道府県運営にし各町村運営は廃止となる。

此処で問題は今でさえ運営に困窮して居る健保組合等に200万人も後期高齢者を受け入れて
運営が出来るかと言う問題です。

現役世代の負担増と健保組合維持困難は予想されますが是に対して善後策はハッキリして居ない様です。

高齢者医療費は高齢者の保険料。現役世代からの支援金。公費で賄うのは現在通りです。

ただ高齢者を75歳以上にするかそれとも65歳以上にするかは断定をさけ両論併記されて
居る模様です。

只名前だけは国民健康保険となり同じ保健証を持つ事になるが、高齢者故の差別、とも取れる
医療上の制約事項は果たして無くなるのか?

只単なる名前だけを変え機構はそのまま残るやり方は、何か誤魔化しの様な気がする。

まだまだ解決せねばならない事が山積して居る様に思えてなりません。

2010年度経済財政白書

2010-07-24 07:34:05 | Weblog
内閣府は本年度の「年次経済財政報告」所謂「経済財政白書」を公表しました。

可成り厳しい現状分析となって居る。

まず20年前から先進国の中で日本だけが慢性的需要不足に陥って居る事を指摘しています。
日本はバブル崩壊と言う手痛い経験を致しました。
このバブル崩壊後殆どが需要が供給を下回る需要ギャップが続き他の國では見られない現象と
言われる。

一番の原因は産業の海外流出が挙げられるのではないか?
それに伴う国内の空洞化が進み、雇用だけに限らず、技術や経済そのものが海外へ流出して
しまった。

市場競争原理の導入、成果主義、グローバル化の拡大、小泉内閣がとった構造改革は是に拍車
をかけました。

安い労働力を求め、新しい技術や、工場まで海外に持って行っては、供給不足を言う前の段階
で日本の需要不足が起きる事は当然の事です。

失業率は遂に5%を越え年々悪化し、昨年度の非正規社員の一斉解雇が更に輪をかけた。
庶民の金不足は低価志向となり益々企業利益は落ちデフレ傾向は一向に改善出来ない状態です。

菅内閣は第三の道を提言し「強い経済。強い財政。強い福祉」を揚げた成長戦略を発表した。
介護や医療等の分野で新しい産業や雇用を興し構造的デフレ脱却を提案しました。

白書は需要からの成長を検証しています。

所得が増えても18歳未満の子が居ない階層は、消費は伸びない状況なので、民主党政権が
推進するこども手当てが可成り個人消費を高めて居ると評価している。

個人消費を増やすには高齢者のサイフを緩めるのが一番の妙薬と60歳以上の就業率向上や
高齢者の支出を引き出す工夫を提言して居る。

また働く女性の就業率向上のため周辺環境の整備の重要性を挙げて居ます。

税制改正の点では法人税の引き下げは必ずしも税収低下をさせない事も強調して居る。

地球温暖化対策の太陽光発電技術や高効率発電技術が貿易に直結してない事。発電機、鉄道
車両等アジア向けインフラ輸出が必ずしも順調でない事を指摘しています。

昔、日本が国家主導で各国に売り込みを図ったトップセールスの手法を外国は強力に推進して
実績を挙げて居ます。

遅まきながらこの頃やっとトップセールスに気づきやり始めたが、政府と特定企業との
結託と言う輩が多く是も色々問題が多そうです。

この状況では2013年までに赤字財政半減し2020年までにプライマリーバランスをゼロ
にする成長戦略に黒雲が漂って居る事は間違いない様です。

何れにしてもこの経済財政白書は今後の日本の指標の一つになるかも知れないものだから
謙虚に受け止めねばならないと思います。