幻冬舎のMBOについて

株式市場にとって余り好ましくない状況が今回文庫本等の発行の幻冬舎が起こしたＭＢＯです。

幻冬舎は一部株式市場に上場されて居る有名会社です。

処が投資ファンドのイザベルリミテッドが３７％の株式を収得し筆頭株主になりました。

是を嫌った経営陣はＭＢＯを仕掛け株式市場上場を廃止する事を株主総会で可決しました。

ＭＢＯとはＭａｎａｇｅｍｅｎｔ　ＢＵＹ　ＯＵＴの略で企業合併買収の一形態で、経営陣が
自ら調達した資金で自社の事業部門を買収し、株主等から経営権を奪う事です。

今回幻冬舎のＭＢＯが成立したのは、投資ファンドイザベルリミテッドは筆頭株主にはなったが、
イザベルリミテッド社が自己資金で拾得した株式はたった１％であとの３６％は証券会社が介在
したものでであったため筆頭株主の権限が発揮出来なかったためです。

幻冬社の株主総会で、代行した証券会社は法律で規制され株主総会にノータッチとされました。
是で総会は経営者の思う通り事が運んだと言う事です。

後は株主が所有する株式を幾らで引き取るかと言う問題があります。

もともとファンドイザベルリミテッドが幻冬舎に対し高額で株式を引き取れと迫った事に対し
幻冬舎が起こしたＭＢＯと言われて居ます。

幻冬舎は出来るだけ株主から低額で引き取る事を申し出るでしょう。
株主も今となっては、上場されない株券は紙くず同然となる恐れがあるので、仕方なく応じる
より手はない様な事態になりかねません。

当然法律で株主の権利は或る程度保証されて居るので、そう無茶な事は出来ないと思えますが
何れ二足三文で買い叩かれる事は目に見えて居ます。

株式取引市場もこの様な事態が頻発すると株を買う人が減ってきます。
幾ら認められて居るＭＢＯでも簡単に認める訳には行かず何らかのアクションがあると予想される。

今考えられる事は投資ファンドイザベルリミテッドが自分の資金で取得した１％の株を使って
幻冬舎に株の買い上げ価格引き上げの裁判を起こす事になるらしい。

後はそれに追従する株主が出て来るかでしょう。

喰うか喰われるかの経営陣の争いは我々庶民の想像を超えたものでしょうが、是が日本経済の株式
市場にすぐ跳ね返って来るので、満更関係ない事ではない様です。

小沢派１６名会派離脱問題

昨夜政界に激震が走った小沢派１６名の会派離脱は各方面に衝撃を与えました。

一番喜んだのは自民党でしょう。

タナボタ式に政権を取り戻す事が可能になって来た訳です。

今回離脱届けを出した面々は小沢氏子飼いの議員で何れも比例代表議員である事です。
比例代表は本人の実力を評価して個人的に選ばれる一人区等選出と異なり党の名前で
当選した場合が多いと言われます。

今回の造反には小沢氏は一切タッチしてないと言って居る様ですが、本人は次の政界再編に
向かって動き出した模様で全然関係ない事とは言い難い様です。

造反議員は、次の衆議院選では明日がない事を予感し、一気に菅政権倒閣と言う行動で名を
挙げようとしたと穿った考え方も出来ます。

兎に角カリスマ性に欠ける菅首相の人気はこの処落ちるばかりです。

菅首相に首を切られた小沢派の原口元総務大臣は「旧態依然と既得権益にしがみ付く菅首相は
もはや同士ではない」とキッパリ言い切りました。

現在党務は万事岡田幹事長に任せ放しですが、各大臣や官房長官は萎縮してしまい、当たり障り
のない処で動いて居る様に思えてなりません。

仙谷元官房長官が余り突出過ぎて、責任を取らされた事がよっぽど応えたらしい。

仙谷氏をなくした内閣に一時の勢いがなくなった事は事実です。
その中で菅首相一人が全てを一手に引き受け居る状況にも見えます。

明らかに破綻が来して居る民主党のマニフェストの完全履行に固守する鳩山小沢氏。
是に対し脱小沢を露わに対抗し、小沢氏強制起訴に対しては党員資格停止の措置を取り今紛糾中
です。

その中で起きた今回の造反劇です。

造反議員は民主党離党宣言でなくあくまで会派離脱と言う戦法で出てきました。

問題は２０１１年度の予算案が無事執行出来るかです。

このままではどうも政界３月危機説が現実化しそうで、予算審議処ではないと言う異常事態が
発生すると言う可能性すら出てきました。

多寡が１６名の暴挙で日本の政界がひっくり変える事でもあるまいが、是が引き金にある恐れは
充分にある様に思えます。